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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:緑の魔法と恋の奇跡 第八話 フォージロックへ向かって

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前話

「まずはクリスタリウム・ペイクの入り口にあたる、フォージロックの街へ行くといい。そこに腕の良い、レイナルドというドワーフの職人がおる。治すべき武器を預け、その間に防寒した装備でクリスタリウム・ペイクに臨めば良い。あまり、深刻に考えすぎぬ事だ。用心深くなるのはよいが、未来を憂慮してもだめだ。良き旅を」
「メリウス。助言、確かに頂いた。エレナ・シルヴィアと試練をこなしてくる」
「じゃぁ。メリウス」
 エレナ・シルヴィアは涙を浮かべてメリウスと抱き合う。まるで祖父と孫に見える。長い時間を過ごしてきたのだろう。妖精は長い命を持っている。人間との違いの1つだ。また、間に渡っている河がまた見える。
「どうしたの? ぼーっとして」
「あ。いや、少しまた考え事に入っていた」
「よく考える王子様ね。これからは歩いて行くの?」
「いや、馬がある。森の入り口に繋いである。ストームウィンドといういい馬だ」
「まぁ。そんなに嵐みたいなの?」
「気性は私みたいに優しいよ」
「あなたが、優しいねぇ」
「シルヴィ、そろそろ入り口に行く。問答を繰り返すのは馬に乗ってからだ。ではメリウス。行ってくる。無事を祈っていてくれ」
 軽く会釈してライヴァンはエレナ・シルヴィアの手を取って森の入り口に行く。
「何か、気を悪くさせたかしら?」
「え?」
 ライヴァンがびっくりしてエレナ・シルヴィアを見る。
「さっさと馬に乗ろうとしてるから」
「いや、その気はないのだが、誤解さえたなら住まない。急いではいるかもしれない」
「せっかちなのね。あんなに優雅にハーブティー飲んでいたのに」
「ああ。その矛盾はよく言われる。自分でも把握し切れていない」
「そうなの。あら、あの子がストームウィンドね」
「ああ。いい子だったな。ストームウィンド。この姫を一緒に乗せてくれるかい?」
 優しい声で馬に言うライヴァンの姿に何か心がざわめくエレナ・シルヴィアである。
 
 どうしたのかしら? こんなに心がモヤモヤするだなんて。
 
「ほら。シルヴィもストームウィンドのたてがみを撫でてみないか?」
 ティアはもう馬のたてがみに乗ってエレナ・シルヴィアを待っている。
「ストームウィンド。初めまして。私も一緒に乗せてくれる?」
 言いながら固いたてがみを撫でる。ストームウィンドは一声鳴いて首を後ろに向ける。
「どうぞ、って言ってるの?」
「みたいだね。シルヴィは馬の気持ちもわかるんだね。さぁ。乗ろう」
 ライヴァンが乗ると手を差し伸べる。手をつかむと力強い腕で引き上げる。馬から見る高い目線にエレナ・シルヴィアはびっくりする。
「はじめて馬に乗るようだから、無理はしない。まず、フォージロックまでいくつかの街と野営をする。最初に行く街はミスティヴェールだ。冒険者がいろいろ来る街だ。フォージロックの事も聞けるかもしれない。いろんなエレメントの装備もあるから炎のエレメントの装飾品でも見てみよう」
「随分、詳しいのね」
「私も旅をしてきたからね。いろいろ情報を得ているんだ。だが、君のいる森は想像以上にすごかった。これからはあんな試練が山ほど待っているんだね。心してかからないと」
「ふぅん」

 別にいつもの森なのに。
 
「おや、言い方が気に入らなかったかい?」
「え?」
「顔に出ているよ」
「私って冒険者向けじゃないわね」
「そりゃそうだ。お姫様なのだから」
 エレナ・シルヴィアは軽くため息をつく。
「とんでもなく世間知らずなのね」
「そこまでは……」
「そういうことなのよ。がんばって直すようにするわ」
「そんなに気にしなくても」
「するの! あなたにドンドン言い当てられるなんて嫌だもの。周りの人もきっとお花の咲いたお姫様って思うわ。冒険者なのに」
 まぁ、とライヴァンが言う。
「そんなに気にするのなら、あまり言わないようにするよ」
「いいえ、しっかり言って頂戴。自覚しないと始まらないわ」
「頑張り屋さんなんだね」
「プライドがが高いだけよ」
 やいのやいのと話ながら道中がすすで行く。ティアはそんな朴念仁同士の会話を興味深く聞いている。旅は始まった。
  
 無事に行って帰ってきなさい。
  
 そんなメリウスの気にかける言葉が聞こえてくるような気がするエレナ・シルヴィアだった。


あとがき
これってユング関係してました? 禁断の恋以外思い出せない。いろんな遺跡をたどるのは解るのだけど、どうしたっけ? ラストは決まってます。
よくある手ですが。阪神勝った~。ヒーローインタビューまで聞いてしまった。滅多に聞かない。あと一分。書き逃げします。ってアレクサがリマイダー言ってきた-。置き逃げしますー。

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