北海ハル
これといって取り柄もないが、かといって好きなものがないわけでもない。 そんな不特定多数の中から無作為に抽出されたような私の、様々な音楽に対するレビューをまとめました。 目線は専門家や有識者ではなく、あくまで『いちファン』として。 感じたことや素敵だなと思ったことを、各記事にまとめます
幻の超大陸 ムー 海底に沈んだと謳われる街 地下深くに存在する、古代文明都市…… 今となっては逸話やオカルトのように扱われるそれらは、果たして本当に存在しないのだろうか。 煙あれば火あり、実在したからこそ、今日まで噂が立つものだろう。 近年の日本、ひいては世界に通ずる、不明瞭なものは存在などしていない、という愚かしい思考に一石を投じる男が一人。 かつて自由に空を飛び、制空権を我がものとした、大妖怪。 天狗の総領主、絶巓斎。 彼の探究心が人間共を笑う。 彼の好奇心が再び翼
夢が夢でなくなり、夢のない大人になったのか? 仕事柄、ロマンというか、理想的主義でいることはあまり得意でなく、日々を振り返るとリアリストとして振る舞う場面が多くある……ような気はする。 おまんま食べるにも理想論で仕事は出来ないし、そもそもタラレバで物事を進めるには、どうしても不明瞭で個人的には不安が残る。ただ、それは行動原理に対する方針なだけであって、思い描く事に関してはそれこそがロマンそのものと言える。 小学校低学年の頃、日曜日に目を覚ませばテレビが付いていた。所
何かしらのコラムを書きたいと思った時、自分という人間の浅さを思い知ることになった。 コラムを書けるほど何かしらの知識に長けているわけでもなく、何かの道に明るいわけでもない。 自小説でも頻繁に持ち出す「これといって取り柄もなく、ほぼ惰性で生きる主人公」は、だいたい自分像が当てはまる。情けない話だ。 しかし、実際のところどうなのだろう。 コラムを書いている人間は、果たしてコラムの内容に対してどれくらいの知識量を持ち合わせているのか。 そんなの書いている人間に聞いて
キャッチコピー: その砂は、人類の夢か。はたまた、楼閣を崩す一粒か。 あらすじ: 南極大陸の遥か1500メートル下層から、後に『ユニオンサンド』と名付けられる砂の塊たちが発見された。 各国有識者による研究の末に人間を更に一段階高次の存在へと変化させる事が発覚したことで、各国が誰の土地でもない南極大陸を占有し始める。 世界が欲望で渦巻く中、日本は砂による混乱に包まれ、東西に分断。砂は有限。 日本は新時代の資源を巡った戦いに飛び込めるのか? 新時代に生まれた戦乱の幕が開く……
長瀞町の一角、宝登山神社を更にロープウェイで登った先に、奥の院がある。 滑瓢のメモ書きに示された奥の院には、滑瓢の古くからの知り合いがいるという。 『神武天皇の眷属だった奴なんだがな、正史で神武天皇の存在自体が疑わしくなった時点でそいつも力を失っちまった。今はただ、そこに縛られる霊獣になっちまったって聞いてる』 信仰心の減少と歴史の照査は、時として霊獣や神獣といった生物のポテンシャルにも干渉する。 畏れ、敬い、だからこそ奉るものだったのに、今となっては「ご利益お願
「……で、どうすんだ、絶巓」 頬を少しだけ赤く染めた滑瓢が私に訊ねた。 「どうするって言ってもな……狐白、もとい宇迦之御魂神を経由して神様のお許しを貰う手段は末端から切り捨てられたし、もう御加護もへったくれも無く突っ込むしか無いだろ」 呆れたように滑瓢が私を見る。言いたいことはわかるが、どうしたってアイデアが浮かばないから仕方のないというのに。 「お前って奴ァよ……無鉄砲と無責任を勘違いしてやいねえか?お前が失敗したら人様に迷惑がかかるし、何より神様が後始末に明け暮
人類が空を夢見て智恵に翼を生やしてから、百年余りが過ぎた。 今では初めて空を駆けた時よりも遥かに高く、果ては宇宙までもその知見を広げ、飽くなき探究心のままに心の翼を増やし続けている。 かつては中世、マゼランを始めとした探検家たちがこの星の陸と海を探検し、はてさて、まだ全部巡ったわけではないというのに今度は空を仰いだ。 認めよう。その探究心と研鑽の様は賞賛に値する。 自らの手の届かぬ所であろうと、学者というものはどこまでも傲慢に、残酷に真実と向き合いながら、無垢な
盛夏のじりじりとした、息の詰まるような空気の中で、私は歩いていた。 八月も半ばにさしかかり、いよいよ台風が本州へと流れ着く時期である。七月の乾いた暑さが懐かしい……と言いたかったが、梅雨が明けてもじめじめとした日が続いていたために、そんな思いを馳せることも無い。 暑さと湿り気が共存するような空間は、地元では経験がなく、都内に上京して最も嫌なことのひとつだった。 ビルの陰に隠れれば、多少なりともマシにはなる。それにしたって、暑いものは暑いのだけれど。 最近はガラス張り
はじめに自身が熱烈に好きなものは、とことん資料を揃えて完璧なディベートを行いたいフシがある。相手の意思を顧みない感情なので、迷惑極まりないと言われればそれはその通りではある。 しかしながら、溢れる愛とはそういうものであるので仕方ない。 タイトルからお察しの通り、私の愛は東方Projectに全て割かれている。中でも私が愛を訴えるのは、東方Projectの音楽にあった。 「何がいいのか」と聞かれた時、お粗末な語彙力では即座に回答ができない。情けない。だからこうして、書き残しておく
のっけから申し訳ないが、本記事は下の話100%である。 これ系の話はしないよう、しないようにと避けてきたが、いや、ある種の感動に包まれたため文字に起こしている次第である。 どうか下世話な方向に行く事を許して欲しい。 はじめに昨今のAIグラフィックの目覚ましい発展は、多くの人、特にイラストレーター等の界隈が震撼したことだと思う。 確かに、AIに指定した構図、ビジュアル、服装を指摘したらドンピシャで提出してくる、消費者である立場からすればとんでもないものである。 と、同時に
なんというか、特段ものごとに対して感化されるようなことはあまりないので、これは恐らく自分の心情的な側面が不安定になっているだけなんだろうな、といった感じだ。 苦しい。 自らのこれまでの他者に対して求めてきたことや、実際にそうしろと言った発言を鑑みた時に、とても荒んで、愚かで、なんと身勝手だろうかと自覚する。 腹立たしい。 手塚治虫の『鳥人大系』を読んだ。 人間社会の構造の愚かしさ、それが種族を変えても再び同じ穴の狢になってしまうこと。そもそもそれが知的生命の宿命なので
ごきげんよう 自分の事を右脳派だと信じてやまない北海ハルだ。 いや、多分右脳派だと思う。知らんけど。 読者各位、音楽は好きだろうか。 J-POPやロック、中にはクラシックやゲームミュージックが好きな人もいるだろう。 今回はタイトルの通り、日々音楽を聴いて過ごす私が選ぶ珠玉の楽曲レビューとなっている。 傾向から「あぁ、そういうオタクか」と思ってもらえれば助かる。それでは行こう。 1.The Black Case - Cytus はい、そういうオタクである。終始このノリな
狂気的な一文は、さて、理性のうちには決して生まれない。 それならいつ生まれるかと考えるけれど、そんな思考が頭にあるうちは絶対に出てくる事は無いもので、突飛なものはいつも理外から顔を出す。 本当に自分のものなのか。 そんな蒙昧、虚ろ、胡散臭い意識の下で、ごくごく稀にその姿を現す。 音楽におけるソロパートの無意識的なスケールに似通ったものがある。 立ち返っても自らの意識で生まれたものではなく、経験則から自然と出てくるものだ。 天才だったり非凡な人間に限られたものでもない。
例年の暑さを遥かに上回る夏であった。 墓前で手を合わせ、早々に帰り支度を済ませて車へ乗り込む。 木々を通り過ぎる風の音に合わせて鳴り響く蝉の声を早く遮断したかった。 「厳しい暑さを観測していますが、初秋を迎えるのは少し早くなるでしょう……」ラジオの声を聴き流しながら、さわさわと揺れる草原を眺める。 数年前のちょうど今時期に、母が亡くなった。 あまり考えないようにしていたためか、はっきりとした命日を記憶していなかった。 盆の時期というのは覚えていたので、こうして再び故郷へ
はじめに私のnote記事を見て「寝言抜かしたアホがいる」と鼻で笑ったあなた、正解です。 さして読まれる文章を書けない人間が使っていいタイトルじゃないですね。まず自分の文章をどうにかしろと。 自分で言うのもなんですが、私の文章は「書き方」に問題があるのではなく「構成」に問題があると思っています まあなんで構成に問題があるのかも理解しているんですが 今回は「どうしたら人に読まれる文章を書けるのか」を簡単に解説していきます。 割と色んな人が説明している気がしますが、まあ私の
✅ブラック企業が社会に巣食う国、日本働き方改革が謳われたりあらゆるハラスメントが摘発される一方で、未だにその業務体制の改善を見せないブラック企業は世の中に数多く存在する。 ここに平成30年の労働基準監督年報のデータを残す。 定期監督等実施事業場数:136,281件 内、法違反の事業場数:93,008件 以上の数値から、立ち入りのあった企業の中で、法令違反は68.2%にのぼる。 つまり68.2%が、所謂ブラック企業として明るみに出ているわけなのだ。 ちなみに最も多い法令