ミドルバーグ映画祭



これは、2019年3月に、書いたものである。

米国の首都で発行されている新聞「ワシントンポスト」には、毎月曜日午後2時から旅行に関する質問をチャットで受け付けている。別に質問でなくても、愚痴でも楽しい旅行談でもかまわない。

10月15日に寄せられた質問を覗くとしよう。ワシントンDCから3時間以内で、夫とふたり、結婚記念日をお祝いできる素敵な場所はないかしら。

これに対する回答は、ミドルバーグにあるサラマンダー・リゾートなんかいかが、とあるから、早速、この場所についてしらべてみよう。東京ドームの30倍の面積を誇るという。

グーグル・マップによると、クルマで1時間ほどで目的地に着く。ダブルベッドが2台ある、広さ54平方メートルの部屋を11月下旬に2泊予約すると、料金は981ドル。11万円弱になる。

テラスからの眺望は、緑が目に沁みるほど美しい。ただ、天井にあるシャンデリアが気にかかる。ロウソク型の白熱電球が、わずかに3本あるだけ。口コミによると、なにもかも素晴らしいが、天井の明かりだけは別。今度、泊まるときは、本物のランプを持ってゆくわ。

ブッキングドットコムで予約すると、いくらか安くなるかと思ったが、却って100ドル近く、つまり1万1200円ほど高くなることが分かった。

乗馬、サイクリング、テニス、ビリヤードなどが楽しめるが、ここを会場にして、11月18日から4日間開かれる映画祭について述べてみよう。

初日の午後7時半から上映される、アルフォンソ・キュアロン監督の「ローマ」が1番の目玉であろう。今年のヴェネツィア映画祭で金獅子賞を取った作品である。上映後、質疑応答があるというから、監督か主演俳優が出席するに違いない。

今年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した是枝裕和監督の「万引き家族」も上映予定である。ニコール・キッドマン出演の「消された少年」も、質疑応答付きで、金曜日の夕方に上映される。

映画だけではない。ジャズピアニストのクリス・バワーズを迎えて「ワイン、音楽、会話」というコンサートも、近くのワイナリーで開かれる。これも、おそらく質疑応答があるに違いない。

土曜日の午前9時からは「消された少年」の監督兼俳優、ジョエル・エドガートンを招いて、翌日の同じ時刻には「先頭の走者」の監督、ジェイソン・ライトマンによる質疑応答が、サラマンダー図書館で開かれる。

前売り券にどんなものがあるのかとみると、まず1人3400ドルも取られる舞台裏まで見られるVIPパスというのがある。38万円も払って、どんな特典があるのかというと・・・詳細は略。

ミドルバーグという街は、ワシントンのダレス空港からクルマで30分というから、最後に東京から米国の首都までの往復の運賃を調べてみよう。

10月18日、11時に成田発の全日空機に乗ると、12時間40分後、同じ日の10時40分にダレス国際空港着。往復運賃は16万5940円。これは、ちと高すぎはしないか。

同じ日に北京からユナイテッド航空を使ってダレス国際空港に飛ぶと、往復運賃は9万4058円。燃料は北京発のほうがたくさん使うのに、料金は、7万円ちかくも安い。

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