【大人も楽しめる童話】紫陽花の浴衣
「長崎のおばあちゃんから、浴衣が届いたわよ。
おばあちゃんの手づくりだって。
…うふふ、おばあちゃんたらまた冗談言って。
着ている人の気分によって花の色が変わる、
ですって。今度のお祭り、これ着て行ったら?」
お母さんが小包を開けて、
おばあちゃんの手紙を読みながら言いました。
「どんな浴衣? 本当に色が変わるの?」
妹のさやかが駆け寄って来ました。
「まさか。おばあちゃんったら、ふざけてるのよ」
「なんだー、つまんないの。
わー、かわいい。さやか、こっちがいいな」