日記三回目

祖母が死んだ
祖母の思い出はあるにはあるが
二人きりで話したことなど到底思い出せない。
孫は多いから、次男の子供なんていう中途半端な位置にいる私は影が薄かったのだろう。

大人になってからは遠くから見かけるくらい、挨拶はするかなという他人行儀な関係であった。
母が祖母を疎ましく思っていて、私は母の味方なのだから仕方ないのだ。
父方の親戚が死ぬ程、そう死ぬ程嫌いなので、私は葬式にも出ない。
母もそれを許してくれるだろう。
割と近しい肉親が死んだのに、なにも思わないというのは、やはり健全な関係性を築けてなかったからだろう。
父には悪いが恨むならそうした祖母を恨んで欲しいし、そのように私を小さい頃から教育した母を恨んで欲しい。
本当に悲しくも辛くもない。
まぁこれは苦しまなくて済ませてくれた、という唯一の功績かな祖母の。
なんて皮肉を思う。
嫌いな親戚との縁がこれでかなり切れたぞと思うと嬉しさまであるのだ。