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アイドルかぁ、、、

私がアイドル(というソロ活動)をしていた時なんかは、この言葉は当たり前だった。

昔は、アイドルライブなんてちゃんと確立されたものはほとんどなく、オールジャンルのライブイベントにアイドルとして出演するのが普通だった。

オールジャンルなので、弾き語りの人もいれば、バンドもいる。私のような歌って踊ってをする人なんて一握りしかいなかった。

そうなると大体言われるのが「アイドルかぁ、、」という言葉だ。

言いたいことはわかる。

その人が作った熱い音楽や歌を聴きにきている人からしたら、アイドルというのは「音楽性」より「タレント性」だとみられても仕方がない。
今でこそアイドルはメジャーな存在になったが、昭和アイドル以降、モーニング娘。を境にジャニーズブランド以外のアイドル文化はほぼストップした。

その後AKB48が出来て、ももクロがヒットしてからアイドル戦国時代となり、早々に終わるだろうと言われていたこの戦国時代は「別ジャンル」として生き残ったのである。

私から言わせれば、今の時代はアイドルになりたい子からしたら恵まれた時代だ。
場所やグループをえらばなければ「アイドルになれないなんてことはない」のである。

ぶっちゃけ言おう。
「誰でも簡単になれるアイドル」それが今のライブアイドルシーンである。

何度も言うが、なるのは簡単。
ただし、問題は「続けれるかどうか?」「グループとして存続ができるのか否か」それだけだ。

それくらい溢れかえっているライブアイドルシーンではあるが、やはり「音楽」というジャンルからしたらちっぽけな存在だ。

このライブアイドルシーンで活動をしている人や私のようなスタッフ、そしてオタク活動をしている人からしたら日常的な事で、この業界が当たり前のように感じるであろう。

だが、一歩外にでたらそんな日常的な業界は、非日常になる。知らない人の方が圧倒的に多いのだ。

でももちろん、みんな噂程度には知っている。
「あー地下アイドルでしょ?劣化版アイドル見てもねぇww」「地下アイドルってチェキとか撮ったりハグとかチューとかできるんでしょ?」

おいおい、当たり前のようにハグとかチューできると思わないでくれ笑
というか、それをそんなにもあっさり受け入れないでくれ😂
てか劣化版ってなんだ劣化版てwww

と言うのが本音だが、、、、
一般人がこのライブアイドルシーンを認識している知識なんてこんなもんだ。

でも、そう言う認識をされているのは紛れもない事実である。と言う事は、そういう認識以外何も世の中に伝えられてないと言う事だ。

これはどっちが悪いのか?

その認識を覆すような状態を作れていないライブアイドルシーンである。
しかし、女性の地下アイドルは、きちんと芸能としてテレビでの取り上げも多い。
が、メンズ地下アイドルの取り上げられ方は、芸能ではなく、こんな危ない世界もあるのような、良くない取り上げられ方の方ばかりだ。
そういうグループばっかりではないのに、、、。

これは私がよく言う持論だが、ライブアイドル、通称地下アイドル、メン地下というのは既に1つのジャンルとして確立されている。

確かに地上でいうアイドルとは運営方法も曲の楽しみ方も違うかもしれないが、だからこそ新しいジャンルの一つだと私は思っている。

「劣化版」ではなく「ジャンル」なのだ。

ロックに邦ロック、ヴィジュアルロック、ハードロック、オルタナティブロックなどなど種類があるように、アイドルの中の種類であって劣化版では決してないのだ。

と私は大声で言いたい。

がこれが世にきちんと広まるのにはまだまだ時間がかかるであろう。
ヴィジュアルロックがきちんと歴史を作ってきたように、このライブアイドルシーンももっと歴史を積み重ねていかなければ、ここ数年で出来上がるものではないのかもしれない。
だが、にしてもすこし遅いが、、、、。

だからこそ、自分達で伝えるしかないのだ。

地下アイドルというジャンルで活動している人は、そのジャンルの偏見を壊し、楽しいものだと伝えていかないといけないし、ダンスボーカルで活動している人は、日本にもこんなにも実力があるグループがいるんだと伝えていかないといけない、そして僕らのようなインディーズアイドルは、他のインディーズアーティスト同様、日の目を見れるよう自分達の音楽を直向きに、がむしゃらに届けていがないといけないのだ。

ただそれだけの事であるが、日本人は何故かブランドに拘りたがる人間だ。
どんだけ歌やダンスが上手いダンスボーカルグループでも、地下アイドルでしょ?と一括りにされてなんかやってるなーとしか見てもらえない事が殆どだ。

おいおい、こんなに歌もうまくてダンス良くてトーク良くてこれしかファンおらんのやったらうちはどーなってしまうんや、、💦
なんて思うすごいグループもいる。
本当に謎だ、、、。もっと拍手喝采されてもいいはずなのに、、、

やはりジャニーズブランドや有名アーティストプロデュース、有名韓国テレビのオーディション、ニコニコ動画、そしてK-POPなど何かしらのフックになるメジャーなブランド名が必要なのだろうか、、、
※K-POPって、K-POPってだけで日本ではブランドになっているからすごい!羨ましい!逆は存在しないのか!?逆は!?笑

だが悲しくもここはそんな日本である。
今まだ日本にいるうちは、日本人にちゃんと見てもらえるようにしていく必要はどうしてもある。

たが、どんだけ遠征周りをしても、どんだけショッピングセンターなど一般のお客さんがいるとこでやっても、やれる事は限られている。
とにかく最高のパフォーマンスをして、見てくれた人に良かったと思ってもらうしかない。

ほんとうにただそれだけでなのである。

しかしその場で盛り上がってくれても、そこから末長く見守ってもらえたり、応援してもらうと言うのはなかなか難しい。

ましてや「あー地下アイドルでしょ?」といって見るのを辞めてしまう人、ドアを開けて出ていってしまう人は沢山いるのが現実だ。

そう、そもそも見てすらもらえないのだ。

今回なんてまさにそうだ。
熱い音楽、演奏を聴きに来た人からしたら、なんかチャラチャラしたアイドルが出てくるんか、、というのが当然の感想だ。

実際に会場内に来てくれていた知り合いから、ドア塞がないとアイドルってだけで出てく人多いぞって言われて、急いでビラを配って留まらせてもらった。

でも逆に「アイドルだってー。でもめっちゃ人いるじゃん?」って気になって残ってくれた人も沢山いた。

人間というのは本当に単純だ。
どれだけ知らないアーティストや人でも、人だかりが出来ているものには興味を示す。

今回は大会だということもあり、メンバーも沢山の知り合いに来てもらったり、ファンの方も沢山の方を応援に呼んでくださった。
そのおかげで、確かにすでに人だかりが出来ていたのである。

ありがたい事にその人だかりのおかげで、気になって残ってくれた人も多い。
応援に駆けつけてくれたファンの方、応援の応援に駆けつけてくれてライブを見てくれた方に感謝しかない。

うちのグループは決して一緒に楽しむという曲よりも、メッセージ性やパフォーマンスありきの楽曲が非常に多い。
故に、お客さんと一緒にコールをしたり、レスをして確認し合ったりする地下アイドルの現場というのは少し不向きだ。

お決まりのコールをする為に声を出して、キンブレを高く上げて、アイドルとアイコンタクトをするライブを観に行ったはずなのに、一緒に歌って、ただ見るだけのライブを誰がじっと見ていられるだろうか?

だからこそ、この闘いが向いてると思った。
バンドやシンガーソングライターというのは曲と歌詞が個性だ。メッセージ性が強い楽曲や歌詞もとても多い。
お決まりのコールなんて存在せず、バンドさんが煽ったら拳を上げるか、タオルを回すか、一緒に歌うかだ。

そう、音に乗って、見て聞くという事に慣れている方が多いのだ。
もちろん、聞いて心地いいほど歌はまだ上手くなければ、シャウトみたいに熱い歌が届けられるわけではない。

そこは物足りなさを生むかもしれないが、その分がパフォーマンスである。はず。

それでもやはり、初めてみた人の感想の冒頭には「アイドルなのに」「アイドルって」と「アイドル」という言葉は外せない。

「アイドルってもっと可愛いでしょみたいなのかと思ってた!」とか「アイドルもすげぇな」「アイドルってこんなに激しいんだ」「アイドルだけどライブ良かったよ!」なんて言葉が飛び交っていた。

この大会はバンドが多く、お客さんの比率で言ったら圧倒的に男性客の方が多かった。
そう、その全く知らん男性達が後ろの方で沢山見て拳を上げてくれていたのだ。

音楽というのは実はものすごく単純だ。
みんな偏見や先入観があるから入りは狭い。
自分の好きなものから入り、知り合いの勧めなど身近な人に勧められてようやく違うジャンルへ、また違うジャンルへと手を伸ばしていく。

しかし、見たもの聞いたものがいいと思えば、どんなジャンルであれ、よかった、楽しかった、カッコよかったと思ってもらえる。

でも1番大事なのはまずその「先入観」や「偏見」をどう取り除いて見てもらうか、聞いてもらうかだ。
今回はうちのグループを見てくれるために、時間を割いて集まってくれた、また応援の為に各々が見て欲しい!って呼んでくれた沢山の方の協力のおかげでなんとかいろんなお客様を留まらせることができた。

人だかりがもしなかったら、きっとそもそも見てくれなかった人が沢山いたであろう。

それくらい音楽ジャンルの中ではまだまた「アイドルかぁ、、、」が現実なのだ。

この「アイドルかぁ、、、」をいかに今後取り除いていけるか、それを覆すパフォーマンスが出来るかが、こういった大会に限らず今後の日本での課題となってくるのであろう。

僕らはもう一歩を踏み出してしまった。
アイドルを見に来た人たちが溢れる優しい現場ではなく、偏見と先入観の茨の道に出てしまったのだ。

この先はアイドルという肩書きは全く強くない。
でも、日本の良いブランドの一つであるアイドルという形で音楽を伝えていくことを諦めずにやっていきたい。

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