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映画『花束みたいな恋をした』

作品情報

◎作品名:花束みたいな恋をした(124分)
◎あらすじ(雑):映画・音楽や文学のカルチャーにおける趣味が似ている二人(有村架純・菅田将暉)が大学生で出会い、付き合い、社会人になり、関係や考え方などの変化を描く。

自分用メモ

◎視聴方法:Amazon Prime
◎視聴しようと思った理由:数年前に社会現象として話題になっていたから。その話題になり方が気になってはいたものの、やっぱり恋愛要素が絡む話はあまり好きではないので後回しにしていた。Netflixのアプリがうまく動かなくて暇だったのでアマプラを開き、今なら見れるかも、と直感で気が向いたので見た。
◎その他:特になし

感想

率直な感想として、想像していた映画と違った。悪い意味ではない。経験則として、こういうジャンルの映画を見たときは大抵もらい泣きをしてしまうのだが、この映画は泣くようなシーンがなかった。私の鑑賞態勢がズレていたのが理由かもしれないが、序盤は「懐かしい、大学生の頃ってこうだよね」という感覚。中盤で「あ、なんかズレてきた(二人が)」と感じ、終盤で「ああ、おしい(二人が)」と、二人の関係を”見ている”という感覚。もっと情に訴えかけてくるようなものかと思ったが、割と淡々としている。なのでこちらの見方も淡々としたのかもしれない。感じるより、考える映画であった。

だからメンタル的には思ったより身構えて見なくても良い作品だと思う。日頃思考が止まらなくなっているときに見るといいかもしれない。
でも決して明るい気持ちになるわけでもないので、メンタルが安定しているときに一人で見た方が良いかもしれない。そして見るなら明るい時間帯に見た方がいいかもしれない。(私は先ほど見終わった)最後の3か月のシーンがあったことで、心が救われたのかもしれない。


友人の結婚式でお互いがお互いの友達に話しているシーン。あのシーンで二人とも同じことを言っているけれど、言葉の選び方で、思いが完全に違うことが分かった。思いというか、見ている方向というか、結論が同じだけどそこに至るまでの理由が違うというか。でも結論が同じでも、理由が違えば相手を理解できないということに繋がるんだろうな、と再認識した。

大学生の頃の描写は、同じような生活をしていた人には懐かしくて結構刺さるものがあると思う。私とはジャンルが違うが、彼らも大学生の中でもオタクと言われる分類だと思う。(多分。おそらく。好きなものに対して饒舌になるあたりとか、早口になるあたり、自分と似たものを感じた)
そういう人たち(THE大学生みたいな飲み会・派手な遊びをする人ではない人)が大学生時代に楽しんだ恋愛ってああいうものじゃないかな、と個人的には思った。好きな人の家に数日お邪魔したり、一緒にいたいから大学を休んだり、バイトに行くために一旦自分の家に帰ったり。時間があった大学生だったからできたこと。大学生だから楽しめていたこと。
率直に懐かしいな、と思った。あの時期の恋愛はあの時期にしかああいう風に楽しめないし、素敵な思い出だったんだな、良い経験させてもらえてたんだなと思えた。あまり過去の記憶がないタイプなのだけれど、日常を描いた映画やドラマを見ると、薄れた自分の記憶にマッチすると、たまに思い出せることがある。なんかイイネ。感謝。

ただ私は割と共感性羞恥を感じたのでこういう言い方になってしまうけど、バカ騒ぎしないタイプの大学生特有のあまりよろしくない部分も描かれていたと思う。さっぱりしない感じ。なんかどことなく周りから暗いと言われがちな雰囲気。私は好きだけれど。
だから気持ち悪いとか、理解できない人もいるだろうなと思う。逆に過去に似たような経験をした人は、この映画を懐かしく思ったり、同じように気持ち悪く思ったり、なんか心がざわついたりするかもしれない。この感じ方の違いは、その思い出の捉え方で変わるのかもなぁ、と思ったり。
割と賛否両論別れそうなので、これが社会現象になった理由なのか?とも思ったり。これを書き終わったら調べてみよう。


この映画を見て、泣かなかった自分、特に何も動かされなかった自分が意外とショックである。社会現象になったという先入観から、もっと何かクるものがあるかと思ったが…。拍子抜けというか、自分の感性が麻痺してしまったのか?と少々不安になった。
大学生の頃の自分と重ねて見てしまっていたのかもしれない。重ねて見ると、自分の心が揺らぎかねない。見る前から登場人物と距離を置き、見ている中で心への影響具合を測り、セーブしていた気もする。

そう思うと少し寂しい気もするが、これが今の私にとっての最適解。大学生の頃から成長した部分ともいえるかもしれない。
もしかしたらこの先このnoteを読み返したとき、また違った感じ方をしているのかもしれないなぁ。


と、この映画を見て思いました。
なんだろう、他の人はこの映画を見て何を考えたのか、気になる映画でした。

私はいい意味でも悪い意味でも特に何も感じなかった。それはきっと、この映画が伝えたいものを表現する方法が恋愛だったから。かもしれない。

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