人の声自体を「できごと」として捉える 濱口竜介(映画監督『悪は存在しない』)
佐藤真の映画ではカメラが人物の前に回ることが多い。対立でもなく、対峙でもなく、被写体の前で立ちすくむカメラ。そんな印象を受ける。
答えのない過酷な生を、人々の声が和らげる。佐藤真はインタビューすることを恐れない。インタビューの一つ一つが説明に堕することがないのは、人の声自体を「できごと」として捉える感性ゆえだろう。
一度お会いしたかった。
濱口竜介(映画監督『悪は存在しない』)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?