もうこれ以上は踏み込めない、ぎりぎりのところで一人のひとの「生」を垣間見てしまう瞬間 小森はるか(映像作家)
佐藤真さんが探求し続けた「日常と隣りあわせにあるもうひとつの世界」。佐藤さんの映画でしか感じられないその世界が、確かに在るのです。それが映像に残るのは怖いことだと気付かされもしますが、心の深いところで感情が揺さぶられた一瞬を、あれは何だったのだろうと引きずってしまう気持ちにも正直になっていきました。もうこれ以上は踏み込めない、ぎりぎりのところで一人のひとの「生」を垣間見てしまう瞬間。なぜ人の暮らしにカメラを向けたい欲望が湧き上がるのかを考えさせられます。
そもそも「日常」