料理の妖精に住み着いてほしい
いま、自分史上最大といえるほど、食事作りがめんどくさい。
単身赴任するまえは、自分と妻と娘ふたりの4人分を用意することは苦ではなかった。いや、むしろ作るのは好きなほうだ。栄養バランスや総カロリー、品数を考えながら食材を準備して、時間をかけて調理していた。
4人分なら感じなかったのに、1人分を作るのがイヤになるのはどうしたことか。とにかくその気分に逆らえなかったので、しばらく包丁は握らず朝食は納豆ごはんかTKG(卵かけごはん)、昼は社食、夕食は食堂かスーパーのパック入り惣菜かコンビニ弁当と決め打ちして暮らしてみた。自分でもびっくりするほどすぐに飽きた。
こんなとき考えるのは、家に妖精がいて家事をしてくれたらいいなということ。自分の好きな漫画『魔法使いの嫁』に出てくるシルキーみたいな。
家に住み着いておいしいごはん作りはもちろん、掃除、洗濯、裁縫までやってくれる。単身赴任先で人間の女性にやってもらったら(魔法使いでない)嫁に何をされるかわからない。が、妖精であれば文句も言われまい。ただ、そんな生活が続いたら、おなかの肉がさらにゆるくなりそうだ。揺れる、重い。ZARDかよ。
さて、現実逃避はこれくらいにして。心を入れ替えて明日の朝からまた、きちんとごはんを作ろう。あ、冷蔵庫には何も入ってなかったんだっけ。まずは、買い出しから、か。