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ヘブライ語の復活

イスラエル人が日常話すヘブライ語は2000年以上の歴史があります。しかし、実際は話し言葉としては一度滅びている言語です。

そして一度滅びた言語がまた蘇る事など世界では他にない事だそうです。

ヘブライ語は旧約聖書の時代に話されたユダヤ人の言語です。紀元70年にローマ帝国によってユダヤの国が滅ぼされ、ユダヤ人は世界各地に散り、その土地の言語を話すに連れて話し言葉としては滅びてしまいました。

しかしユダヤ人は移住した世界中の土地でコミュニティを作り文化を守っていました。毎週土曜日のシナゴーグではヘブライ語の祈祷文を読んでいたので宗教用語としては生きていました。(日本のお寺でお経を読んでいるようなものでしょうか?)

日常生活でまったく話されなくなったヘブライ語を蘇らせたのがエリエゼル・ベン・イェフダーです。

ロシアで生まれたベン・イェフダーは19世紀末パレスチナの地へ移住し、ヘブライ語の新聞社を設立し、ヘブライ語協会を作ってヘブライ語の普及をしていきました。


古代ヘブライ語には存在しなかった言葉も現代にはあるので、ベン・イェフダーは新しい言葉も付け加えながら辞書を作っていきました。

第5巻まで編纂したところでイェフダーは亡くなってしまいましたが、その後も意思を引き継いだ人達が全17巻から成る「ヘブライ語大辞典」を1959年に完成させました。(1948年のイスラエル建国後にできてる!)

イェフダーがヘブライ語を復活させてからまだ100年余りなのにイスラエルの中では公用語としてヘブライ語が話されている事にビックリです。


しかも違いはだいぶあるようですが、古代ヘブライ語を現代ヘブライ語で理解することもできるとの事。

日本人で古文を読むのもできる人がいたらすごいのに、現代のヘブライ語を話す人たちがみんな2000年以上前の文字を読んで理解できるなんて、今も生きている知識の遺産だなと思いました。

※この記事は2019年10月に書かれました。

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