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【レポート】第2回 日本&イスラエル学生国際交流会

こんにちは、池田です。

先日5月21日(金)に今年2回目の、「イスラエル&日本学生国際交流会」を行いました。今日はその時のレポートを書いていきたいと思います。

交流会の目的


「もっとイスラエルを若い人に知って欲しい」
イスラエルと聞くと、宗教・紛争・最近はハイテク先進国などいろいろな話を聞くかもしれません。しかしメディアを通すだけで、直接そこで生活している同年代と話をする機会はあまりありません。
イスラエルの人はとてもフレンドリーで、議論好きです。また新しくチャンレンジする人を受入れ、失敗にも寛容です。そんなイスラエル人と話すとたくさんの刺激がもらえて自分の興味も広がってきます。
この交流会ではイスラエルと日本という、出会う機会が少ない国の学生たちがオンラインで交流することで、お互いの文化を知り、個々の視野を広げる事を目的としています。
また、そこに住む人を知ることでその国に興味を持ち、実際にイスラエルを訪れるきっかけになればと思います。


今回の参加者

イスラエルからの参加者は前回と同じく、テルアビブ大学(以下TAU)の東アジア研究から学生12人。日本人はそれぞれ違う大学から11人(その内高校生が1人!)が集まってくれました。

今回はFacebookの日本人学生コミュニティグループにも声をかけたところ、様々な人が参加してくれました。
・アメリカの大学に留学していたがコロナで帰国した女性
・テクノロジーを勉強していて、TAUで学びたい女性
・9月からアメリカの大学に通う男性
・アメリカの大学でリベラルアーツを学ぶ学生
・国際ツーリズムを学んでいる学生
・グローバルコミュニケーションを学ぶ学生
・日本の高校生。Facebookでイベントを見つけたので参加
と、国際的で英語が堪能な将来有望の学生ばかり!コロナで留学の機会が減っている学生はどんどんオンラインで世界とつながろうとしているのだと、グローバルな風を感じました。

今回のテーマ


「今、イスラエル人とパレスチナ人に何が起こっているか」
最初、交流会を企画した時は「自分が誇れる自国の文化や物事」といったテーマで話そうかと思っていました。しかし5月10日以降から情勢が悪化。ガザからたくさんのミサイルがイスラエル全土に飛んできました。日本からそのミサイルの映像を見た時は肝が冷えました。「今まさに警報が鳴ってる」という知人のメッセージを見て、気が気ではありませんでした。迎撃率90%のアイアンドームがあるにしろ、全部を撃ち落とすのは不可能だとその時感じました。

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さらに私が一番気にしていた事は、「日本人がどうこの現状を見ているか」です。ミサイルが来てからイスラエルの友人が私に、「日本ではイスラエルの事をどう報道してる?」と聞いてきました。私が「日本の報道は情報不足で、公平な伝え方はしていないように思う。」と伝えると、とても残念そうにしていたのを覚えています。
そこで今回のテーマを、メディアでは知る事の出来ない現地のイスラエル人の生の声や体験をシェアできる時間にしようと思い、交流会の1週間前にテーマを変更しました。

参加者の会話


今回はなるべく学生同士が話せるように、ブレークアウトルームを3回に分けました。
スケジュールの大まかな流れ
1.自己紹介(なぜこの会に参加したのか)
2.日本人に質問 “What do you see on the news about the conflict?”
3.テーマについてグループトーク
4.何を話したか全体で共有

2は、全体で話していたので発言しにくかったのもありますが、はっきり答えられる人はいませんでした。「紛争」は日本人にはイメージしにくく、ニュースのことも遠くの国で起きている物事と感じていたイスラエルに行く以前の自分を思い出しました。

全ての会話を記録する事はできず、私の聞いた話になってしまうのですが、興味深かった話をいくつか書きます。
・イスラエル人学生(女性)
イスラエルとパレスチナ問題はとても複雑。様々な背景を持った人達に話を聞き、いろんな視点を理解しないといけない。例えばその人がイスラエル人、パレスチナ人、(アラブ人、ユダヤ人)なのか、宗教家か、そうでないか、家族のバックグラウンドはどこなのか、どこに住んでいるのか等々、いろんな立場の人がそれぞれの見解を持っているから。

・アラブ系イスラエル人(女性)
私はイスラエル国籍を持つアラブ人。自分をイスラエル人だと思ったことはない。だけどハマスのような、あんな悪質な組織は絶対に支持しない。私が心配しているのはパレスチナに住む人たちのことだけ。
あのミサイルが飛んできた時はわたしはエルサレムにいた。テルアビブに帰ってくる移動の時、とても不安だった。ミサイルの事じゃなくて、自分がアラブ人だということで、無差別に襲われるんじゃないかと思ったから。警察はユダヤ人の肩を持って助けてくれないから頼りにならない。
(補足をすると、この時、過激なユダヤ人とアラブ人がイスラエル国内のいくつかの場所で衝突を起こしていたようです。多くの現地の人(ユダヤ人もアラブ人も)こういった暴力的な人たちに巻き込まれないかという不安が大きかったようです。
弁解しておきますが、普段イスラエル国内に住むユダヤ人とアラブ人は社会で共存している様に見えます。私がキブツの医療系の工場で働いている時もそうでしたが、アラブもユダヤ人も他の人種の人もみんなお互いの文化や風習を尊重して働いて生活しています。それがミサイルによってゆさぶられ、動揺した人も少なくなかったようです。)

・イスラエル人学生(女性)
日本にシェルターが無いのが驚いた。イスラエルではガザからミサイルが飛んできた時シェルターに避難しなければいけない。シェルターは必ず建物の中か近所にあって、サイレンが鳴ったら距離に寄るけれど、ガザに近い地域は20秒、テルアビブは2分30秒くらいで避難しなくちゃいけない。日本も地震が来た時はシェルターに入るのかと思っていたけど、ない事に驚いた。

・日本人学生(男性)
パレスティナについて感じる考えはみんなまったく違って、答えるのは不可能。あと、ミサイルが到達するまでの時間がとっても短いことに驚いた。

・日本人学生(男性)
イスラエル人の生の声を聞けるのはとても面白かった。日本には無いシェルターの話も聞けたけど、イスラエルの学生がミサイルや攻撃されることに対して慣れていると聞いて悲しくなった。

等々、いろんなコメントや意見を聞けました。

反省点


今回の反省は正直たくさんありました。
まず一つに、みんな紛争の話より、日本の生活やイスラエルの文化や人をもっと知りたかったようです。参加の理由をきいたところ、文化を知りたい、友達を作りたい、日本語・英語を話したいという人がほとんどで、もっと他の話題もしたかったという意見が多かったです。
でもこの問題は機会がないと伝える事ができない話だし、日本人は遠い国の出来事をもっと身近に感じる機会に少しでもなったのかなと思います。

あとはZoomの操作に時間がかかった、時間が90分では短い、次の話題は事前に参加者からアンケートを取る、ファシリテーターの進行をもっとスムーズにする(!!)などです。
あとは写真を撮り忘れないこと!です。(いつも進行に夢中でで撮り忘れてしまうので次こそは撮りたいです...。)

長くなりましたが以上が第2回学生交流会のレポートです。次回は日程が決まり次第公開しますので、ご興味ある方は是非、FacebookやInstagramなどチェックしてもらえると嬉しいです。

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