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世にも奇妙な珍現象

私にはなぜかおかしな現象が付き纏う。こちらから望んでもいないのに。今から15年前くらい前からだろうか。レストランや食堂に入ると食事が出てこないのだ。ドアをガラガラと開けて「はい、いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」と店員さんに言われ、座ると注文を取りにこない。「あ、忘れられてる」と気づく。やむなくこちらから「注文いいですかー?」と言うと店員さんは、あっという顔をして「ごめんさいね。遅れちゃって」と言うやり取りが、その後、何度も、5年くらい続いただろうか。そんなに存在感がないのか。偶然にしては多すぎる。

ある時、中央高速の山梨あたりのサービスエリアの食堂で食券を買った。天ぷら蕎麦。待つこと3分、番号をアナウンスする声が聞こえた。「15番から20番の方」。私は16番の食券を持って受け取りカウンターに行くと、一人また一人と自分のお盆を手に取り持ってゆく。最後に天ぷら蕎麦が残った。これが自分のだなと思って手を伸ばそうとした矢先、横からおばちゃんが出てきて「これは私のねー」と言って持って行ってしまった。一体どうして?おばちゃん本当にあんたのか?調理人が数を間違えたのか?仕方なく店員さんに「16番の天ぷら蕎麦がないんですけど」と言って作ってもらった。店に入るのが怖くなった。また出てこないんじゃないかと。そう思うとそうなるってよく言いますが。そんなことが4、5年続いたような気がする。最近はその現象が起こらなくなった。

そして再び。
その代わり、またまたある現象が度々起こるようになった。いや大したことではありません。相手にしたら大したことですが。
人が落し物をする現場を頻繁に目撃するのである。そのたびに「落としましたよ!」と大きな声で追いかけて渡す。昨年は何度「落としましたよ」と言ったかな。この現象は数年前から続いている。最近では昨年10月に埼玉のある街の蚤の市に出かけ、そろそろ帰ろうと会場から出ようとした矢先、10メートルほど前を歩いていた女性がポケットから白く小さな固形物を落とした。拾い上げ妻に「これ何?」と聞くと「エアポッツ」と言った。わあ高価な物だ。急いで女性に駆け寄りいつものセリフ「落としましたよ」と決めて渡した。

年が明けるともう立て続け。1月10日、月曜の祭日、蔦屋の外のエリアでシトロエンの展示イベントがあった。妻と二人、円卓でコーヒーを飲んでいると20メートル先に年配のご夫婦がクルマを眺めていた。ご主人がポケットに手を入れて出した瞬間、手袋が一つ落ちた。また見ちゃった。彼の近くにはシトロエンのスタッフや通行人もいて誰か気づいてくれ!と願ったが、誰も気づかず二人はその場を離れ歩き出した。もはや自分が行くしかない。20メートルも離れているのに。妻に行ってくると言って猛烈ダッシュ。「落としましたよ」
そして今日、まだ1週間も経っていないというのに。スーパーに行こうとして駅前に差し掛かったところで、小さな子供を自転車に乗せたお母さんが目の前を通り過ぎた。その瞬間、白いマフラーがするっと落ちた。そしてまたいつもセリフを言って手渡した。
この話を娘にしたら、私より凄いことをしていた。バスの中でのこと。下車する人が多い停留所に着きドッと人が降りるとそこにマフラーが落ちていた。娘は直感で隣にいた女子学生の物だと思い、とっさにマフラーを拾い後ろの下車扉から飛び出て彼女に渡した。バスの運転手は下車扉から出たわけだから当然扉を閉める。閉まりかかったところに娘は挟まれながらも飛び乗りなんとか戻ったと言うのだ。
親子で何してるんや。

生涯で2回ほど、財布を落としたことがある。幸いにも拾ってくれた方が良い方で2回とも交番に届けられていた。こんな国、他にあるのか?
しかし、自転車はカギを掛けないとなくなる…。

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