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サヨナラだけの路地裏

私が猫を飼うことを夢見るようになる、そのずっと以前の猫に対する認識は、外にいるのが当たり前の存在であり、外猫が直面している過酷な現実には全く思い至っていなかった。
私は路地裏の猫を儚く美しい存在として心の中で愛でていた。
あの角を曲がったら、それっきり。
そんな、サヨナラだけの路地裏。
でもそんな路地裏を美しいとは今は全く思わない。
寝ている猫の頭を石で打ち付けて殺害する、どうしようもなく頭の悪い子供。
猫の腹を蹴り飛ばす老人。
毒餌での殺害。
外猫への虐待、虐殺の事実は枚挙に暇がない。
そうでなくても猫の外での生活が過酷であることは、ちゃんと想像すれば分かることだ。
あなたは、真夏の灼熱のアスファルトの上を裸足で歩けますか?
そんなことは絶対に無理だ。
一歩たりとも歩くことは出来ないだろう。
だから一緒に部屋にいよう、ここにいて何処へもいかずに。
猫へ少しでも愛のある人達に伝えたい。
外での生活の方が幸せかもなんて、そんなことを考えないで下さい。
私はインスタグラムに溢れている無邪気に可愛いと撮られた外猫の写真にいいねはしたくない、本当は。
近頃は諦めてもいるけれど。
全ての猫にとって、これを読んでいるあなたの家が猫にとっての故郷になることを願う。




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