28歳の若さで私の前から消えた母

28歳で私を産んで私の前から姿を消した母。
正確にはノイローゼになっておかしくなったことが原因で、父に捨てられ離婚させられた。
私はいつも何処かで母の愛を求め彷徨いながら今の今まで生きて来たと思う。
少なくとも母と同等の愛を女性に求めながら生きて来たことは間違いない。
私が母親不在のマザコンであるとはっきり自覚したのは30歳を過ぎてからで、それまで女性に対してだけでなく生きる上でかなりの苦労を強いられた。
思い返せば、私が人生のどん底で喘いでいる時、絶望の淵に立たされている時、いつも母に見守られていたような、そんな気がしている。
私の中にある弱さや繊細さは、間違いなく母から受け継いだもので、だからこそより一層、母の存在を愛おしく感じる。
私は、私の母は一人の女性として美しい人生を生きたと言いたい。
私がどれだけ母を美化しようとも、美化してあげられるのはこの世で私一人しかいないのだから。


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