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花相の読書紀行№.71『ダック・コール』

稲見一良の世界へようこそ!

【ダック・コール】/稲見一良
<あらすじ>
石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る―。絶滅する鳥たち、少年のパチンコ名人と中年男の密猟の冒険、脱獄囚を追っての山中のマンハント、人と鳥と亀との漂流譚、デコイと少年の友情などを。ブラッドベリの『刺青の男』にヒントをえた、ハードボイルドと幻想が交差する異色作品集。“まれに見る美しさを持った小説”と絶賛された第四回山本周五郎賞受賞作。
 目次
  第1話 望遠
  第2話 パッセンジャー
  第3話 密猟志願
  第4話 ホイッパーウィル
  第5話 波の枕
  第6話 デイコとブンタ

★感想
野鳥の姿を描きながら進む短編小説。
6編の短編と話を繋ぐ一つの物語で構成されています。
ミステリーだったり、ファンタジーだったり、ハードボイルドだったり、そのどの編も個性的で情緒に富んで、面白かったです。

解説を読むと、作者についてチャンドラーを好きな作家だと記載していました。
なるほど、だから何となく村上春樹の前期の作品がイメージとして浮かんできたのかぁ~って思っています。
始めはとっつきにくいもかも知れないけど、読むほどにその物語に引き込まれていく作品です。
嚙むほどに旨味が出てくるスルメのように・・・(笑)

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