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花相の読書紀行№.70『双風神 羽州ぼろ鳶組』

羽州ぼろ鳶組シリーズ、今回は赤舵の星十郎

【双風神 羽州ぼろ鳶組】/今井翔吾 2022.3.27
<あらすじ>
京の淀藩常火消・野条弾馬は、己が目を疑った。大火の折に生まれ激甚な災禍をもたらす炎の旋風“緋鼬”が大坂の町を蹂躙していた。続発する緋鼬に、それを操る何者かの影を見た弾馬は、新庄藩火消頭取・松永源吾に協力を頼む。源吾は、天文学者でもある風読みの加持星十郎らを連れ大坂へ。しかし、ぼろ鳶組は、炎の怪物を眼前にすると大きな挫折を味わうことに…。
 
★感想
羽州ぼろ鳶組シリーズ第9作目。
今回は、舞台を大阪に移して、源吾、星十郎、武蔵が京で共に戦った野条弾馬と共にします。
相変わらずの劇画エンターテイメント、もう読んでいるだけで映像が浮かびます。
もちろん火焔との戦いは、迫力満点。
ラストの展開で親のように慕う山路連貝軒が、星十郎と共に緋鼬に立ち向かうシーンが読みどころです。
山路の姿が、何故か映画「十戒」のモーゼと重なってしまった私の脳内。
いやいや、武士ですから…(笑)
 
自らの命で、甥である加地星十郎を守った山路の思い。
また一人、民のために力を尽くす御仁が命を落とすことになりました。
星十郎の胸の内を思うと、じ~んと目頭が熱くなります。
 
新しく登場した大阪の町火消したちの勇猛果敢さは、江戸をも凌ぎます。
でも、京の淀藩常火消し頭取並“村上祐”が、私の一押し。
馬好きの私としては、祐の愛馬“白夜”も気になります。

とにもかくにも、今回も楽しませていただきました。

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