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花相の読書紀行№.97『インジョーカー』

危険すぎる美人刑事、八神瑛子ふたたび

【インジョーカー】/深町 秋生
<あらすじ>
悪党どもに、女神の鉄槌を!
危険すぎる美人刑事、八神瑛子が帰ってきた――。
シリーズ累計40万部突破、警察小説の最高峰。
 
躊躇なく被疑者を殴り、同僚にカネを低利で貸し付けて飼いならし、暴力団や中国マフィアと手を結ぶ――。その美貌からは想像もつかない手法で数々の難事件を解決してきた警視庁上野署組織犯罪対策課の八神瑛子が、外国人技能実習生の犯罪に直面する。日本の企業で使い捨ての境遇を受けたベトナム人とネパール人が、暴力団から七千万円を奪ったのだ。だが、瑛子は夫を殺した犯人を突き止めて以来、刑事としての目標を見失っていた。そんな彼女に監察の手が伸びる。刑事生命が絶たれる危機。それでも瑛子は事件の闇を暴くことができるのか。

★感想
八神瑛子が帰ってきました。
女性刑事が巻き起こすアクション満載の「組織犯罪対策課 八神瑛子」シリーズ4作目になります。

心躍るエンターテイメントで読者を魅了しているこのシリーズですが、今回は“えーえー!?”となって読み終えました。

悪徳警官のレッテルを張られながら、警察官としての本分を忘れない。そこがダークヒーロー“八神瑛子”の魅力です。
どんなに悪に手を染めようと、仲間や部下を裏切らない、愛情や信頼、義理を尊び、正義を貫き、疾走する八神の心情にも触れている本作を読むにつれ、彼女の心と同化し、まるでアクションゲームの世界に居るような錯覚に襲われるのは私だけでしょうか?
 
後半で、また大切な人を亡くした“瑛子”の気持ちを思うと、切なさで一杯になりました。
 そんな瑛子に影響を受け、本来の正義に目覚める警察官が、また一人現れます。

亡き夫の死の真相を突き止め、復讐を果たしても瑛子の生き方は変わらない。
変わらないことがシリーズの継続につながるのだけど、そろそろ休息を与えてあげたいと、しみじみ思ってしまう。

 本作は、涙無くして読めません。

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