花相の読書紀行№.114『神楽坂 謎ばなし』
冴えない女性編集者、落語界へ。新シリーズ始動
【神楽坂謎はなし】/愛川 晶
<あらすじ>
武上希美子は中堅老舗出版社の編集者、三十一歳。元気な祖母と二人暮し。
手堅く教科書を出版している社が三代目の独断で人気落語家の本を出すことに。
妊娠や病気で同僚が戦線離脱していくなか、この本を担当した希美子は制作の最終段階で大失敗。彼氏の浮気も判明し、どん底の彼女に思いがけぬ転機が…。
〈もくじ〉
・セキトリとセキテイ
・名残の高座
★感想
愛川さんの「神楽坂倶楽部シリーズ」の1作目です。
出版社に勤める主人公「希美子」、実は老舗の寄席“神楽坂倶楽部”席亭の跡取り娘と言う設定と、個性豊かな登場人物たちが織り成す物語です。
疎遠だった父親が病に倒れたお陰で、まったく門外漢の寄席界で、悪戦苦闘する主人公の様子をミステリー調に描いています。
落語の世界は、あまり良く知らなかったので楽しみながら学べました。
実は、席亭って言葉も初めて知った私です。(^^;)
本の世界は際限なく楽しいね。
隠れた一押し登場人物は、元刑事の下足番「義蔵」さん。その推理力を生かして続編でも活躍してくれるに違いない。
さらりと読める本作は、一息つきたいときのお供に良いかもしれません。
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