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花相の読書紀行№.110『夜明け遠き街よ』

ススキノの夜の蝶を守る黒騎士登場!

【夜明け遠き街よ】/高城 高
<あらすじ>
1980年代、空前の好景気に沸く札幌・ススキノ──。
クラブ経営を夢見るホステスが巻き込まれた奇妙な事件、地上げ騒動の陰に暗躍する女、望むものはすべて手に入れられる実業家のとてつもない浪費の顛末、そしてその莫大な金に群がる政治がらみの男たち――。
キャバレー〈ニュータイガー〉の敏腕黒服・黒頭悠介が邂逅する、男と女の群像劇。やがて消えゆくバブルという名の徒花の時代を練達の筆致で描きあげる、著者にしか書き得ない物語。
著者あとがき=高城高
 ◆目次◆
  ・引き屋の街角
  ・預金残高一億一千円也
  ・フィリピン・パブの女

★感想
作家“高城高”さんは、北海道の函館市に生まれ、幼少から学生時代まで東北を過ごし、東北大学卒業後は、北海道新聞社で勤務されていました。作品の舞台が北海道というのも頷けます。。
私が初めて読んだのが「函館水上警察」シリーズの1作目です。
こちらも明治24年の函館港で起こるミステリーです。ハードボイルドでもあるこの小説は、残虐シーンばかりが目立つものと違って、気持ちの良いハードボイルドって、私は思っています。
高城さんは、日本のハードボイルド小説の始祖と言われているようです。

そして今回読んだ作品、バブル崩壊前のススキノを舞台に描いた・黒頭悠介シリーズの一作目です。すべてがイケイケのバブル時代、主人公の黒頭悠介は元ボクサー、クラブ・キャバレーの黒服として、地元(札幌)すすきので生きています。
そのクールさとは裏腹に人情味があり、様々なトラブルに体を張って解決していく姿がカッコイイ!華やかな夜の街で女たちにとって、最高の黒服なのです。
“私もこんな黒服に守ってもらいたい“ と思ってしう。(笑)

まるで精悍な戦士を見ているようで、読むスピードもUP。
一気読み間違いなしの小説です。

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