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童貞いじりは面白いのか?

私は以前書いたようにさらば青春の光YouTubeが大好きで、毎週公開されるとすぐに見るくらい好きなのだけれども。

今日更新された動画のサムネイルに書いてあったのが、「五反田から童貞を無くせ!五反田を歩く童貞を見つけ風俗を奢ってあげる」というものだった。

苦手かもなぁ・・・と薄々感じつつ見始めてみたけど、開始早々ディレクターが「五反田には童貞の人にいてほしくない」と言っていて、もちろんおもしろおかしく言っているのは分かっているけれど、ちょっと気分が悪くて観るのを辞めてしまった。

正直、昨今の行き過ぎたコンプライアンスとか、ノイジーマイノリティの声とかにはかなり苛ついていて、たいていのことは「嫌なら観なきゃいいじゃんっ!!!」って心の中では悪態つくタイプなのだけど、なーんか童貞いじりはけっこう沈んでしまった。

というのも、私自身も長いこと処女でいてそれがめちゃくちゃコンプレックスだったから。私はその事実をひた隠し、あたかも人並みの経験はあるかのようにふるまっていたけれど、楽しく遊んでいるときも、お酒の席で笑っているときも、ずっと心の隅に「処女のくせに何笑ってんだ・・・」と劣等感を抱いていた。私は人並みのスピードでそういう経験をできなかったから、周りより劣った人間だと思っていた。

さらばのチャンネルがとにかく面白いことを追求するチャンネルということは分かっているし、これまでもだいぶ笑わせてもらった。この番組を作っている人たちは本当にすごい人たちだなぁって思っていた。もし私が長年処女であることに悩んでいない身だったらいつもみたいに大笑いして観れたのかもしれない。

だから、そんなチャンネルがこういう動画を出したってことは、やっぱり童貞いじりや童貞にマウントをとることは「面白いこと」という共通認識が世間にはあるのだなと思って悲しくなったのだ。(なぜか処女いじりはあまり聞かないけれど・・・)

芸人の容姿いじりが問題視されて、そういうネタは作りません!というような宣言をした芸人もいたけれど、正直そっちはあまり気にならなかった。何となく自分には関係ないコトと感じていた。私もブスかもしれないけれど、でも直接言われたわけではないし、正直人それぞれ好みってものがあるから容姿いじりはそれほど気にならない。尼神インターの誠子はおブスキャラでやっているけれど、いや、全然ブスと思わないし、あれでブスいじりされたら世間一般の女子たいていブスだわ、と思う。芸人だってプロとして、おいしくなる人を選んでいじっているわけだし。

童貞の話になると、なんか違う。童貞かそうでないかその境界線ははっきりしている。ブスとかデブの話だったら「私はブスでない!」と自己肯定すれば気にせずに済んだけど、童貞ってのはどうあがいても童貞だ。言い訳できない。だれかが童貞でバカにされていたら、自分もバカにされていると感じる。

童貞じゃないってだけで、童貞を見下してマウントをとるのも好きじゃない。金払うから同定卒業してこいって、あたかも童貞でいることが罪であるかのようなスタンス。個人間でバカにし合うくらいなら分かるけど、わざわざ企画として多くの人に見てもらいたい内容なのだろうか。童貞じゃないってだけでどうしてそんなに偉そうにできるのか?それでマウント取って優越感に浸っているのってどうなの?それだけで優位に立った気になって偉そうにしている人を見て、面白いとは思えず、むしろ興醒めする。私が女だからか理解できないだけかもしれない。

おまけに、このさらばの動画は「風俗を奢る」企画である。風俗。確かに面白いのかもしれないけれど、正直、性感染症とかちょっとリスキーなところもあると思う。私が女だからよく分かってないだけかもしれないけれど、もし今まで風俗とかに縁もゆかりも無い男の子が、街中で好きな芸人に話しかけられてお金渡されて風俗行けって言われたら本当に行っちゃうかもしれない。そんなんでその男の子が守ってきたものが散ってしまうのがなんだかとても悲しい。(これは単純に私が純粋な男性が好きなだけかもしれないが・・・。)

性別、容姿、セクシュアリティ、そういったものへの差別がどんどん時代に合わなくなってきている一方で、童貞いじりは永久に不滅なのだろうか・・・?

お笑いと誹謗中傷の境目って本当に難しいんだな。

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