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こだわりと言えばまぁ、そうかな

「定休日だ…」とレストランの前で立ち尽くす人を見た。

かわいそうだと思うが、それでもなお自分には理解できない。

臨時休業ならまだ分かる。地図アプリやホームページにも情報が載っていない可能性があるから。

ただ、定休日は。調べれば分かるだろう、と思ってしまう。

なんとなくフラッと立ち寄っただけなのかもしれない。そういう偶発的な行動、出会いを大切にしている人なのかもしれない。

しかし僕は、「今日のお昼はここにしよう」と決めて、喜び勇んで現地に赴いたのにお店が休みだった、なんてことがあると、自分でも何故そんなにと思うほどガックリきてしまうのだ。

おそらく期待する気持ちが大き過ぎるのだろう。あるいは、食に対する愛情が深いのかもしれない。出張の際は、行きの新幹線や飛行機で必ずと言って良いほど晩ご飯のお店探しをするし、なんなら事前に同行者を募って予約したりもする。

楽しみにしていたものが食べられないと分かった時、ワクワクした気持ちが一瞬で萎えてしまい、大袈裟でなく目の前がガーンとなってしまう。なんなら食欲すら減退する。呆然とした足取りでフラフラと吉野家に吸い込まれ、荒んだ気持ちで牛丼を喰らうことになるのだ。(念のためフォローしておくが、吉野家は好きだ)

ご飯ひとつとってもそうなのだから、やはり僕はこだわりの強い人間と言えるのかもしれない。「なんとなく」で選ぶことはあまり無いし、自分のこだわりに他人を付き合わせるのも悪いと思い結局ひとり行動が多くなってしまう。良いんだか悪いんだか。

僕のワガママにも「うんうん」と優しく頷きながら付き合ってくれる人が現れたらいいな、と思わなくもないが、恋人としてはそれはそれで物足りないと感じてしまいそうだ。つくづく面倒くさいタイプだなと我ながら思う。

でも、「なんでもいい」とはやっぱり思えないから。

今日もいそいそと美味しそうな店を探し、せっせとGoogleマップにピン立てしていくのであった。

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