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薄い紙の様な言葉で。
滴る汗が目に染みる夏。
太陽に殺されてしまいそうだな、なんて考えていたら最悪のニュースが飛び込んできた。
自分は相も変わらず不自由な人間だと思う。
まともな生き方をしてこなかったツケと言う奴を払いながら、何もわからない、知らないという顔で生きてはいても本当は全部わかっているし、自分のこの先にこれ以上の幸せなんて待っていないんだろうな、と世界をいつも俯いて見ている。
息はしづらいし、人の目は見れない。
けどそんなんじゃ仕方ないのでとりあえずは平気なふりをしていても、ふとした瞬間に薄い紙の様な言葉で心に切り傷がついて血が止まらなくなる。
泣きたくもないのに涙は溢れるしどうしたら良いかわからない、でもきっと言葉を放ったその人からしたらちょっとした事なのだ、たわいも無いし、まさか傷ついてるなんて夢にも思わないような言葉。
だけど私には自信も余裕もないからそんなものでも致命傷になってしまうから心底この世界で生きる事に向いてないのだろう。
肺を汚すのも、酒に溺れるのは結局は甘えであり逃避だ。
何者にもなれない自分を誰よりも嘆いているのは自分自身でこんな人生なら早く一抜けさせてくれと願っても、結局はそれが出来ない臆病さも全て全てが惨めで情けない。
でも間違えないで欲しい。
これは遺書でもなんでもないし、ましてや誰かに救われるとも思っていない。
ただ殺してくれなんて我儘は言わないからせめて死ねと言ってくれたら、そうしたら諦めもつくんじゃないと思うけどこんな事すら他者に縋ってしまう自分がやっぱり心底嫌いで。
虚勢の自己愛と自己暗示が熱すぎる夏に溶けてしまってまた泣く事しか出来ないからとりあえず暗い部屋で目を閉じる事にした。
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