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人生でいちばん古い記憶

「あなたの人生でいちばん古い記憶はなんですか?」

こう問われたら私はこう答える。

「2003年11月23日 アルビレックス新潟が初めてJ1昇格を決めた瞬間です」と。

当時5才だった私は父親に連れられてスタジアムに向かった。

正直なところ覚えている記憶はかなり断片的で、Eゲート前でスタジアムに入れなかった人達向けにパブリックビューイングをやっていたこと、そしてJ1昇格の瞬間にスタジアムがそれまで体感したことがないほどの熱狂に包まれたことぐらいしか覚えていない。

当時J2にいながらリーグ屈指の4万人を超える来場者数を誇っていた新潟だったが、2004年に戦いの場をJ1に移してからその数は徐々に右肩下がりになっていった。

あの42,000人のスタジアムは30,000人、20,000人、10,000人と減っていき、遂には新型ウイルスの影響もあって10,000人をきる試合も珍しくなくなった。

クラブ側もサポーター側も「満員のビッグスワンをもう一度」を合言葉に様々なプロジェクトを立ち上げてきたがどれもその想いは叶わず。

2017年のJ2降格からはチームの成績の低迷もあって「あの時のビッグスワン」が戻ってくることは正直想像もできなかったし、「満員のビッグスワン」という言葉さえも陳腐なものになりつつあった。

ただ、今やその「満員のビッグスワン」が現実味を帯びている。

今週火曜日の時点で、駐車券はおろか入場チケットの全てが完売しているのである。

今シーズンにおいては特にJ2トップクラスの動員を続けるアルビレックス新潟だが、それでも今シーズンの最多は前回ホームの大宮アルディージャ戦(20,811人)

現状のMAXで約35,000人が入るビッグスワンでチケットが完売となると少なくとも30,000人の来場が想定される。

私の記憶の限りでは、ホームゲームの観客数が前回より1万人増えるということは無かったと思う。

クラブ側でも早めの来場を促したり、駐車場を増設したりとあらゆる予防策を打ってはいるが、正直なところ多かれ少なかれ当日はあらゆる所で様々なトラブルが起きるであろう。

普段からスタジアムに通っている人も、久しぶり、もしくは初めてスタジアムに行く人も不便を感じることは幾度となくあると思う。

だからこそ、私としてはそんな状況さえも楽しむほどの気持ちのゆとりを持って当日スタジアムに向かいたい。

悲願のJ1復帰をホームビッグスワンで自力で決められるこの状況はクラブ、パートナー、サポーター、そして新潟県民全員で作り出したもの。

ドラマみたいに出来すぎたストーリーの中でひとつ、みんなの想いが結実する瞬間の見届け人として、スタジアムに集まる全員で最高の雰囲気を作り出したい。

「2022年10月8日」がアルビレックス新潟にとって、そしてクラブに関わる全ての人達にとって特別な日になることを願って。

「立ち上がれ新潟 何も恐れずに この街の想いのせて」
「突き進め新潟 未来を切り拓け どこまでも共に行こう」

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