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【醸造所情報】バルサミコ酢の醸造所見学

<イタリア旅行記(2006年秋・中部イタリア)no.10>

この日は、エミリア・ロマーニャ州にあるモデナ(Modena)で、
バルサミコ酢(aceto di balsamico)の醸造所見学に行きました。

家族経営で、3代続くこの醸造所では、良質のバルサミコ酢が造られています。

バルサミコ酢は、
白ぶどうのトレッビアーノ種等の果汁を煮詰めてから、木樽で熟成して造るイタリアの醸造酢。

この醸造所での、熟成をスタートさせる木樽は、こちら。
大きいです!

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熟成スタートの木樽
(Botte di legno per l'inizia a invecchiare)

熟成が進むにつれ、水分が蒸発していくので、その減った容量に合わせて、段々と、順々と、小さい樽へ移し変えていくんです。

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移し替えていった木樽達
(Botti di legno che sono state trasferite)

中樽、そして小樽がずらりと並びます。
熟成期間は少なくとも、5~7年。
こちらの醸造所では、一番短いものでも、8年熟成。
そのバルサミコ酢が、瓶詰めされ、販売されています。

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新樽(Barile nuovo)

移し替えを待つ、まっさらな新樽。
今年は、栗の木樽、来年は、桜の木樽と、毎年、木の種類を変えるそうです。
違う木樽に、一年一年、移し替えていく事で、より豊かな香りが生み出されるとか。
凄いですね。

この新樽に、バルサミコ酢が入って熟成されていくと、
木に触れている部分から徐々に色が変わり、その色が、染み出してきて、
木樽の色も変わっていくのが、面白いですよね。

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記念撮影(Foto commemorativa)

醸造所内を案内してくれたオーナー・ジョセッペ氏。
一緒に触っている小樽のバルサミコ酢は、この醸造所で初めて造ったもの。
つまり、3代続く年月を、一緒に過ごしてきた熟成バルサミコ酢なんです。

ジョセッペ氏いわく、「我々の起源(La nostra origine)」

「いつか食べるの?」と聞くと、答えは「No~!(いやいや!)」。
この「起源のバルサミコ酢」は、このまま代々引き継がれるそうです。

詳しい説明を聞いていると、ジョセッペ氏のバルサミコ酢に対する情熱が伝わってきました。

「少し前に生まれた孫の記念の樽も造ってるんだよ~」っと。
その時は、優しいおじいちゃんの顔になっていたジョセッペ氏。
こうやって愛情が注ぎ続かれ、イタリアの伝統的な味も、引き継がれていくのですね。

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