見出し画像

世界の学校はどんな感じ? はんちゃん

こんにちは!はんちゃんです!
国際協力メディアのページを訪れてくださり、ありがとうございます!

いきなりですが、学校に行くことができないとどうなるでしょうか?→みんなでわいわい食べる給食や長~い校長先生の話がありません!(笑)
それだけではなく、ずばり教育を十分に受けることができません。

今回は子どもたちが教育を受けるために必要な学校について、日本がODAを通した海外の学校施設建設支援を取り上げたいと思います!

まずODAとは政府開発援助(Official Development Assistance)のことで、開発途上国のインフラ整備や国民の福祉向上などを目的に資金や技術提供を行うことです。
(注:読み方は織田信長などのオダではなくオーディーエーです。

本記事では、
学校に通えない子どもの割合
日本が海外に建てた学校例
学校建てるだけでは解決しない問題
を書いていきます。
※日本が世界の教育支援を行っている、ごく一部の例を紹介します。


学校に通えない子どもの割合

 まず日本から見てみると、初等教育就学率は約100%、中等教育就学率も99.9%を記録しています。イギリスやドイツといった先進国でも同様の就学率を記録しています。

 一方でアフリカ地域では就学率が70%代が多く、50%を切っている国もあります。東南アジアでも90%を超えていない国があります。

 具体的な数字を見ていくと、2018年のユニセフの報告によると約2億6000万人ほどの子どもたちが学校に通えていなかったようです。さらにコロナのパンデミック後は、約4億5000万人の子どもたちが学校閉鎖により学校に通えていません。

学校に行くことができない及び教育を受けることができない
子どもたちの理由には、
 家計を支えるために働いている。
 教育を受けていない大人たちの下で育つ。
 子どもが授業を受ける教室の数が足りていない。
などが挙げられます。

学校に通えない子どもの割合

出典:UIS Fact Sheet No.48
JICA 教育と開発 学校が変わる、世界を変える mundi 2018年4月号

中等教育の就学率まで見ていくと東南アジアでも低い国が増えています。
中等教育から高等教育の就学率が上がることにより、仕事の幅が広がり所得の向上に繋がります。初等教育以降の教育へアクセスできる環境を整えることが重要になってきます。

日本が世界に建てた学校

学校に通うには校舎と設備が必要です。
日本はODA(Official Development Assistance)を通して世界に学校を建ててきました。

その一例として、2017年からギニアへの教育支援である「首都圏周辺地域小中学校建設」を行っています。
 ギニアは西アフリカ西端に位置する共和制国家です。初等教育就学率は2000年当初では70%で、2010年以降80%を超えていました。就学率は上がったものの基礎教育施設の改善が課題でした。

ギニア 地図

というのも、ギニアの首都コナクリ市では人口流入が多く起こったことで、それに比例して就学者が増加しました。そのため教室には100人もの生徒が密集してしまい、教室の過密化への解決が必要でした。

 そもそも教室の絶対数が少なく、近隣の私立学校の教室を間借りして授業を行っていました。そのため生徒が教室移動に時間を取られていました。
 その他に多くの生徒数に対応するために、午前と午後で授業を受ける生徒を分ける二部制を取っている学校もありました。

 以上の事からギニアの公立学校では、一人当たりにかける教育時間が少なく、教育の質が落ちてしまっていました。

日本はギニアの学校施設環境向上のために約19億円を出資(無償資金協力)して建設を開始しました。既存の公立小学校8校に105教室及び既存の中学校2校に45教室を増設しました。教室の増設だけでなく、管理室やトイレの新設・再設も行いました。外にポツンと設置されているトイレから男女別で綺麗なトイレへと変えました。

そして教室増加により1教室で受ける人数が減りました。また、他校に行くことも無くなり、午前と午後で授業を受ける受けないを左右されなくなりました。これらの施設改善により、生徒一人一人の教育時間を確保することができるようになりました。


日本はODAを通して、学校施設建設だけではなく、施設維持管理についての体制づくりにも乗り出しています。現地の父母会や地域住民たち自らによる維持管理が大切であるという日本の信条の下、現地で施工可能な技術や調達のしやすい資機材を用いています。「施設を維持管理するのは自分たちだ」という意識向上を行うことで、自立的な教育施設維持に繋がります。
(参考:ギニア共和国での第二次首都圏周辺地域小中学校建設計画報告書)

画像4

日本はマダガスカルやハイチ、アフガニスタンでもODAを通して学校建設に寄与しました。


学校は建てて終わりではない

学校を建てることは教育を行うためのハードの面での支援です。
学校が無かった地に新しく建てる、教室数を増やすといったことです。
ですが、それだけでは教育は効果的に機能しません。

現地で教える教員の数や質を向上させるための支援、つまりソフトの面でも支援が必要です。現地での教育を行う教員への教育もセットで行うことが大切です。今回取り上げたギニアでの例のように地域と学校を結ぶことも支援の一環です。

また教育を受けたことがない大人たちへ教育を受ける意義を理解してもらい、子どもを学校に通わせてもらうことも行わなくていけません。特に家での家事に従事している女の子たちへの教育を普及させ、ジェンダーによる教育格差をなくしていくことが重要となってきます。(ギニアの新設の学校トイレも男女を分けた設計で女学生に配慮されています。)

画像3

最後に

日本では義務教育により学校に行くことは当たり前ですが、世界をみたら当たり前ではない国もあります。様々な事情で学校に行くことができず、教育を受けずに大人になる人もいます。包括的に解決するのは困難を極めるため、それぞれに応じた教育環境の整備が必要だと考えます。

地域の人たちが未来を創る子どもたちの教育に協力してもらえる環境づくりも大切です。子どもたちの可能性を潰さないためにも教育が当たり前に享受できる世界になるのを願います。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
また国際協力メディアでは、今後の活動のために、アンケートを実施しています。
個人の特定はされませんので、回答へのご協力をよろしくおねがいします


ライター はんちゃん
チェック みさき
アドバイザー 松田淳也

参考文献
・JICA ODA見える化サイト ギニア
第二次首都圏周辺地域小中学校建設学校 報告書
https://www.jica.go.jp/oda/project/1760440/index.html
・世界子供白書 2015〈要約版〉
https://www.unicef.or.jp/library/sowc/2015/pdf/statistics01.pdf
・JICA 教育と開発 学校が変わる、世界を変える mundi 2018年4月号
https://www.jica.go.jp/publication/mundi/1804/201804_02_02.html
・ユニセフ アフリカに教育支援が必要な理由 
https://www.unicef.or.jp/sfa/report/reason.html
・「「持続可能な開発目標」(SDGs) 困難な時期、子どもたちのために世界の連携を」 ユニセフ事務局長スピーチ概要
https://www.unicef.or.jp/news/2022/0087.html
・旅行のとも ZenTech  ギニアと周辺国の地図
https://www.travel-zentech.jp/world/map/Guinea/Map_of_Guinea_and_neighboring_countries.htm



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?