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世界と日本の難民問題 |ひまわり

こんにちは、ひまわりです。
国際協力メディアのページを訪れて下さり、ありがとうございます!
 
ここ何日もテレビで見かけるロシアのウクライナ侵攻。みなさんはこれにより、何人の難民が発生したと思いますか?
実は5月11日時点では603、だいたい東京都の人口の半分弱を占める割合です。
また世界で見てみると1億人以上の人が難民となっています。


この記事では、
難民についての国際的問題と現在、難民として生きる人々の現状について取り上げます。また、それらを踏まえた私の考えを述べていきたいと思います。
 
この記事から分かること
・難民とはどのような人を指すのか
・ヨーロッパで起きている欧州難民危機の概要
・日本での難民問題
・難民が抱える現在の問題
 

1,難民とは

みなさんは、難民と移民の違いをご存じでしょうか。
まず難民とは、「人種、宗教、国籍、政治的意見または特定の社会集団に属するという理由で、自国にいると迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れ、国際的保護を必要とする人々」と難民条約では定義されています。
反対に、移民はどんな理由であれ、本来の移住地を離れて、国境を越えるか、一国内で移動している、または移動したあらゆる人のことを指します。つまり、移民という枠の中に難民というものがあるということですね。
 
 

2,ヨーロッパの難民問題  -欧州難民危機-

これまでの難民問題で、「欧州難民危機」というものがあります。簡単に言うと、大量のアフリカ人難民がヨーロッパに押し寄せたというものです。
アフリカでは今もなお、内戦が続いている地域が多く、政治的にも不安定です。そのため近隣国に避難をしても安全とは言い切れず、多くの危険が潜んでいました。そこで、政治的にも安定したヨーロッパへ避難を試みる難民が増えたのです。

彼らの中には、ヨーロッパへ渡るために危険な海を通り、2018年には2000人以上の人がこの危険な旅路で命を落としました。また、ギリシャなどでは流入を抑えるため、強制送還することもありました。
そして難民申請に関しては間に合わず、そのため仕事に就けない、つまりお金が無いことから適切な治療が受けられないといった生活が困窮する事例が多く発生しました。
したがって、欧州難民危機では難民は母国から逃げても必ず別の危険が伴ってしまうという問題がありました。
 

主なヨーロッパの受け入れ国は、2020年では125万人のドイツです。しかし世界的に見ると、難民を受け入れている国はトルコが375万人、コロンビアが180万人と8割は開発途上国です。

国連UNHCR協会 2021年末の報告より


ちなみに、日本では何人の難民を受け入れていると思いますか?
難民認定申請者2413のうち、在留が認められたのは654人。そのうち難民として受け入れられたのは、74です。他国に比べると、かなり少なく感じますよね。
 
では次に難民がなぜ受け入れられないのか、考えてみましょう。
 
 

3,難民が受け入れられない理由

1番の理由としてよく上げられるものは、テロ事件が発生することの危惧です。
パリ同時多発テロなどのテロ事件により、現地に住む国民に、難民を受け入れる恐怖が根付いています。なぜならテロの首謀者は、難民として入国した人も多いからであり、国民が不安になることも致し方ないと思います。

ですが、難民の受け入れに積極的なヨーロッパでは、先程定義した難民に当てはまらなくても、命の危険がある場合、保護すべきだという姿勢を取るため、難民の受け入れ人数が多いです。
 
反対に日本では、その定義を厳密に守っており、そのため審査も厳しく、難民の受け入れが少なくなっています。例えば、日本語の分からない難民に対し、日本語訳での書面の提出が義務付けられています。
 
その結果日本では、難民に対しあらゆる問題が発生しています。
例えば、難民申請をして11年経っても許可が下りていない人がいます。つまりその人は在留資格がないため、働けず不安定な生活を送ることになります。
さらに、申請許可が下りなかった難民が入る入管収容所でスリランカ人女性が、適切な治療が行われず亡くなったという事件が日本のメディアで広く取り上げられたこともありました。

ここでみなさんにお聞きしますが、このような報道がされた時、どれほどその情報に耳を傾け、難民問題について深く考えたでしょうか。

もちろん日本の厳格な審査なども見直すべきことですが、私たちが日本人としてまず注目すべきことは、難民に対する「国民の問題意識」だと私は考えます。 

難民問題はヨーロッパの問題という印象がありますが、日本にとっても重要な問題です。
難民を受け入れることはもちろんテロのリスクなどデメリットもありますが、メリットももちろんあるからです。
例えば、日本で問題視されている少子高齢化による労働者不足は、難民が労働者として働くことで補うことが可能です。また、日本の様々な伝統文化を外国人が継承する例も、最近では多くなっています。
このように長年日本で問題とされていることに関して、難民は1つの解決方法にもなりうるのです。


次に先ほども少し例を出して触れましたが、難民として暮らす人々が直面する具体的な問題から考えていきましょう。
 

4,難民として暮らす生活の実態

難民が暮らす術として「難民キャンプ」という難民のための滞在施設があります。一見安全が確保されているようにも思われますが、援助を求める難民が多すぎると溢れてしまい、難民キャンプにたどり着いたら、必ずしもすぐに安定した暮らしが送れるわけではありません。また、難民キャンプでの生活は衣食住の最低限の生活は送れます。しかし、栄養が足りず栄養失調に陥るケースや水不足、さらに言語などのスキルによる貧富の差など、問題は多くあります。


では日本で暮らす難民についても見ていきましょう。
日本へ来日直後は、最低限の生活もできず、ホームレスのような状態になる人も少なくありません。また先ほどの例にもあるように、難民申請をしてもその結果が出るまで数年はかかり、それまで職に就くことができないため、普通の暮らしはできません。また申請が通ると、日本人と同じような待遇を受けられますが、ほとんどの場合認められず、「特別許可」「仮放免」という形になります。特別許可は、仕事はできるもののその収入は不安定で、保険などに入れず、病気にかかっても金銭的に適切な治療が受けられません。さらに仮放免は、まず働けません。また別の都道府県に行く場合、入国管理局に許可を取らなければならず、かなり不自由な生活を強いられます。

 

5,これらを踏まえて

難民について考える前、私は難民と聞くとどこか国の話だと他人事のように感じていました。しかし、ヨーロッパの難民問題から日本国内について考えてみると、日本でも難民として生きる人は多く存在し、それがどれだけ過酷かを痛感しました。
 
日本では、多くの難民が生活を困難としています。私たちは難民問題をヨーロッパだけの問題として捉えず、日本もさらに関与すべき、国民もより問題意識を高めるべきと考えなければいけません。国民がこの問題に対し関心を持たなければ、政府はもちろん動きません。だからそのためにまず、私たちが「難民問題」について関心を寄せるべきだと考えます。
現在はウクライナはもちろん、日本国内で生活する難民者への寄付やボランティア活動も多く存在します!
例えば、難民支援協会では、ボランティアに参加する人を募り、イベントなどの資料準備などを行ったり、寄付金を募集しています。
https://www.refugee.or.jp/support/volunteer/

他にもAAP Japanや国連UNHCRなど、難民に対しての活動団体は多く存在します。

まず日本国内から難民問題に対して、国際協力をしてみるのはいかがでしょうか?
 

ここまで色々とお話してきましたが、いざ調べてみようと思っても、何から調べればよいのか分からない人も多いと思います!そこで例にも挙げた、収容所においてお亡くなりになったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんについて調べてみることをお勧めします。
直近の日本での出来事なので、難民問題がいかに深刻かよく分かると思います。ぜひ、難民問題について理解を深めていきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

作者 ひまわり
チェック みさき
アドバイザー 松田淳也

【参考文献】
・時事ドットコム,「ウクライナ難民600万人超 国連」,https://www.jiji.com/amp/article?k=2022051300246&g=int

・読売新聞,「世界の難⺠と紛争地帯」, 2022年5月29日, 朝刊

・国連UNHCR協会,「難民とは?」,https://www.unhcr.org/jp/what_is_refugee

・Word Vision,「移民問題とは?難民との違いや日本と諸外国の移民対策を知ろう」,https://www.worldvision.jp/children/crisis_07.html

・gooddo,「アフリカの難民がヨーロッパに押し寄せた『欧州難民危機とは?』」, https://gooddo.jp/magazine/peace-justice/refugees/africa_refugees/2308/

・国連UNHCR協会,「難民の出身国・受入国」, https://www.japanforunhcr.org/refugee-facts/origins

・出入国在留管理庁-法務省,「令和3年における難民認定者数等について」, https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/07_00027.html

・リクナビNEXTジャーナル,「日本も難民を受け入れるべき?受け入れ体制の問題点やメリットって?」, https://next.rikunabi.com/journal/20160128_s15/

・Word Vision,「難民キャンプの現状や問題点とは?」, https://www.worldvision.jp/children/crisis_06.html

・BORDERLESS,「日本にもある難民問題。2万人の難民が安心して生活できる社会へ」, https://www.borderless-japan.com/academy/support/16541/

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