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オンライン授業での気付き(1)~リアルより気をつけるべき3つのこと

私が運営する(一社)アルバ・エデュでは、2月28日(金)の全国一斉休校を受け、その土日でスタッフと共にサービスを立ち上げ、3月2日(月)に「オンラインおうち学校」を開講しました。以来、本日まで、国語、英語、社会、理科、体育、書写など、23コマの授業を各界の第一人者の先生方の授業を、ZOOM上でご提供しました。


せっかくここで得たものを皆様にシェアする意義があると考え、何回かに分けて書いてみます。学校でオンラインの授業を開始される先生方、イベントをオンラインで開催する方の参考になればと思います。


1.必要なのは時間的なのりしろ

リアルよりオンラインで圧倒的に必要なのは、時間的なのりしろです。全員がシステムに入るまでには時間がかかります。今回は、子どもたちや保護者が受講者で、ビジネスパーソン向けオンラインイベントと違いの参加者がPCやスマホの操作に慣れていないという点もありました。よって、ZOOMのダウンロードができない方、音が聞こえないという方、途中で落ちた方、スライドや動画が見えないという方、これらの方々をどう救うかというところに、何より時間と手間がかかりました。
当初は待ったりもしましたが、皆様をお待たせするのも気がひけるため、トラブルがあった方には録画を後日見ていただくという運用にし、授業途中での個別対応はやめました。
それでも何かしらのトラブルはつきものでしたので、講師の方々には通常の8-9割の時間で終えられる内容にしてください、とお願いしました。
オンラインおうち学校では、30分前からZOOMの部屋を開いておき、15分前までにはお入りください、というアナウンスにしました。それでも全員が時間通りに揃って授業を始められた授業はほとんどありませんでした・・・。


2.コンテンツの鋭さとテクが勝負

普段、講演や授業をこなされている先生方でしたが、内容が相当濃く鋭くないと、参加者の興味を惹きつけられないということが分かりました。通常の授業や講演とのもっとも大きな違いは、受講者側の環境です。周りには家族がいて話しかけられたり(兄弟がちょっかい出してくるのが厄介)、食べ物も見えたりするのです。目や耳に入るほかのどのような物よりも話者の話に集中してもらうためには何が必要か?
それは、聴き手にとって興味をひく刺激が授業内にどれだけあるかが勝負、ということがわかりました。
登壇していただいた先生方には、インタラクティブにするためにクイズやアンケートを実施していただいたり、動画を流したり、カメラアングルを換えたり、絵本を読み聞かせたり、スライドシェアのオンオフを駆使したり、スケッチブックを使ったり、カードを使ったり。実に様々な工夫をしていただきました。こちらに詳細を記しましたので、ご覧ください。もし学校の先生方で今後オンライン授業を開始されるという場合は、個別にお伝えしますので、ぜひご一報ください。



3.送る「気」の量は2倍にする

オンラインでは、話者側で1枚の画面、聴衆側で1枚の画面、計2枚の「壁」を通しています。顔と顔が近く、表情が見えるというメリットもあるものの、私自身3コマの授業を担当してみて、話者から伝わる「気」は半減する、と感じました。
私が普段の授業や講演でもっとも気をつけているのは、「みんな大好きよー」「今日は絶対にお土産持って帰ってねー」という念力です。このメラメラがなかなか伝わらないという感覚がありました。
そこで頷いたり拍手したりといったリアクションや、顔の表情などはアメリカ人並みに大げさにし(アメリカ人ごめんなさい)、声の大きさにも気をつけました。普段から声は大きい方ですし、通常の授業でも声の張りに特に気をつけています。それでもオンライン上では、その通常の授業の2倍の声量で話しかけました。決して広くない事務所で作業をしていた他のスタッフには、本当につらい時間だったかと思います(笑)。

以上3点がリアルの授業やイベントとオンラインでもっとも違う点だと感じました。もう少し細かいTipsについては改めて書いてみたいと思います。
授業をご提供いただいた先生方にはこの場を借りて御礼申し上げます。





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