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オンライン授業での気付き(3)~授業運営のすご技ご紹介

私が運営する(一社)アルバ・エデュは、平時は学校にアクティブラーニングの授業に訪れる団体ですが、一斉休校に合わせて3月2日(月)から「オンラインおうち学校」を開講し、全国の子どもたちに向けて各界の第一人者の先生方にお願いしてZOOM上で授業をご提供いただきました。

オンライン授業にはできないこともある反面、テクノロジーの力や先生方がお持ちの技を使って新しい形の授業の可能性が広がることを確認してうれしくなりました。それはもうたくさんの工夫があったので、講師の皆様の「企業秘密」には抵触しない範囲でそれぞれの技を少しずつご紹介したいと思います。

鉄板はクイズやアンケート

オンラインでの授業は受講者との一体感の醸成が難しいということを初日に感じたので、登壇していただいく先生方には、インタラクティブにするためにクイズやアンケートを実施していただくことをお願いしました。QRコードで読み取ったアンケートフォームを使ってスマホから投票するスタイルを取られたり、その集計時にサウンドが流れて高揚感が高まったり。

クイズ自体も練られていて面白いものがたくさんありました。その一部をご紹介すると、『好きから始まる英語』の竹村詠美先生には、「ヒンズー教にはどれくらいの数の神様がいるか?」という質問。『弁護士ってどういう仕事』の福岡真之介先生には、「捨てられていた猫を拾って飼おうとしたが、親にダメと言われて元のところに戻したら、法律上問題となるか?」。『世の中の仕組みを疑ってみよう』の松浦真先生からは、ロンドンの昔の写真を2枚見せていただき、「その間は何年が経過しているか?」というもの。質問の多くが、子ども向けといっても大人でも悩むような練られた良問でした。

アングル変換、画面共有オンオフ

リアルの授業や研修であれば、受講者の間を動き回る先生方も多いと思います。オンラインの場合はこれが難しい。。。そこで、先生方は動きを出すために様々な工夫をしてくださいました。『つたえよう~えいごDE茶の湯』の保科宗眞先生の授業では、スライドを使ってクイズを出した後はお茶室でのお点前、と二元生中継が行われたり、冒頭のお写真の遠藤蘭舟先生は、書画カメラをUSB接続で使われ、手元で書いている様子が見えるように工夫されていました。アングルを換える、という意味では、スライド上でクイズを見せた後に受講者の顔が見えるモードに転換をして、人数を数え、またスライドに戻るという「画面共有のオンオフ」という技を使っている先生も何人かいらっしゃいました。(竹内も真似してみました)

スケッチブック、絵本の読み聞かせ、フリップ

ZOOMを使用する場合、画面共有をすると受講者の全員の一覧性がなくなってしまうというところが難しいポイントです。3月に行った自分以外の20コマの授業はすべて私がファシリテーターをしまして、受講者の顔をチェックしたり、挙手している子を数えたりすることができました。
仮に一人ですべてを回さないといけないとなった場合には、以下のような工夫が必要です。『年長児から始めるシステム思考』の福谷彰鴻先生が行っておられた絵本の読み聞かせやスケッチブックで矢印を書きながらのお絵かき(下記写真)。『社会にあふれる【問いのない問題】にチャレンジしよう』の栢之間倫太郎先生もスケッチブックの一部を折って隠した答えの種明かしをする手法を使われていました。(これらは圧倒的に絵が上手な人は有利。)

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『外国人とともだちになる!』の山本紳也先生や『食べ物で考える食育』のさとうりさ先生はすべてのスライドをフリップにして見せてくださいました。
あるいは画面共有のオンオフのところで書いたように、一覧性のある画面に戻って受講者の表情を確認して、また画面を共有するという手法も有効でした。

ワークスペースでの書き込み

普段からオンラインで授業をされている『「枕草子」でまなぶ たった2行の作文方法』の松村ひとみ先生は、ワコムのお絵かきペンタブレットをUSB接続し、PDFをInkワークスペースに書き出されてそこに書き込むという技を使っておられました。これは上級者編ですね。私の持っているSurfaceペンでどこまでできるのか、今後の授業で試してみたいと思っています。

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ゲームをする

『なぜ私たちは学校にいけないのか考える』の福元健太郎先生や、私の『人前で話すための3つのコツ』で使ったのは、ゲームの手法です。福元先生のコロナゲームで外出するか自粛するかをいっせいのせで〇×で表示し、点数を競うゲーム。ネタもタイムリーでゲームの理論の初歩を勉強できる秀逸なゲームでした。我々が授業でも使っているエレベーターピッチカードⓇは下記写真にあるように瞬時に話してもらうためのゲームです。
子どもたちを惹きつけるのにはゲームは有効だと改めて思いました。

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実技は最強

体育の授業は2回ありました。初回は北原亘先生の『アスリートと体幹トレーニング』。フットサルについてのクイズの後はなかなか難しい体幹トレーニングがありました。

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2回目は川那賀一先生の『親子でできるダンス』。キネシオロジーで体のあちこちを動かした後に、音楽に合わせて踊りました。正直なところ、どの授業よりも子どもたち(そして保護者の方々)の笑顔が弾けていたのは、この2コマの授業でした。みんなずっと家にいて体動かしたくてたまらないのですよね。こんな形で体育が好きな子が増えたら本望です。


以上、オンラインで授業をする際のいくつかのTipsをお伝えしてきました。オンラインだとできないことが、、負の面を考えてしまうのではなく、新しくできることを楽しめば世界は広がると思います!
もし学校の先生方で今後オンライン授業を開始されるという場合は、ぜひ参考にされてください!

学校への出前授業やオンラインの授業を提供するために使わせていただきます!