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夕張の詩  MASAHIRO MORI
幼いころ、休日のたび、私を乗せて夕張郡栗山町へ向かう母のホンダシビック。 外国航路のタンカーに乗る通信長の父は、2、3年に一度しか帰国しない。 私は無口な父を「怖い人」と捉えていた。だからいつも母の後に隠れていた。
社交的だった母は、事あるごとに私を色々な所へ連れて行った。 だから幼いころの記憶には、大人たちに囲まれていた記憶が多い。 もしかしたら母は、何か苦悩していたのかもしれない。 子供だった私は、そんなことには関係なく、母とのドライブに胸弾ませた。
明治21年、夕張で石炭の大炭層が発見された。 炭鉱城下町として夕張には、全国から多くの労働者や炭鉱関係者が集まり、 繁華街にはいつも人が溢れていた。 どこの家にも、卓袱台に置かれた空箱には現金の山があり、 子供達は好きなだけお金を持って菓子などを買っていたという。
 ♪ヤマの栄が 自慢だよ   マチの宝の 黒ダイヤ   掘っても 掘っても 絶えやせぬ♪ 夕張の歌にある一説。
平成18年、夕張市は財政破綻した。負債は、300億とも600億とも言われている。 令和4年、その負債を約100億円まで償還した。 街はすたれ、若者達は都会へ流れ、過疎は止まらない。 多くの家屋が倒壊し、人の影が消えてゆく。 鹿が道路を横切り、猫がたむろする坂。 閉ざされた駅、廃線になった線路、静まり返る商店街。
母方の一族が暮らしていた街、夕張。 望郷のフィルターを通して、その姿を垣間見た。


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