【小説】カレイドスコープ 第8話 恭平
前回
ドナー登録をした病院からメールが届いたのは、乗船準備の為に研修として派遣された隣県の漁港で生活を始めて3日目の事だった。
一日のほとんどを漁業の知識の詰め込みと作業の手順を覚えるのに費やしていた為、自分がドナー登録を数週間前にしていた事実でさえ恭平は忘れかけていた。
作業員として怪しまれないように船内で振舞う為、5日間の研修期間で必要最低限の知識と作業手順を覚える必要があり、もう一人の候補者と一緒にこの漁港に送られてから、司法試験を控えた学生並にストイ