電通の個人事業主制度
電通が230人の社員を個人事業主化した。対象は(1)新卒で入社した社員の場合は勤続20年以上で60歳未満、(2)中途採用の場合は、勤続5年以上で40歳以上60歳未満と、いずれにせよ中高年が対象だ。
新たな働き方を模索するとともに、これまでの電通ではできなかった新たな仕事を探して事業創造につなげることが目的とのこと。
体のいいリストラ策という見方もあるようだが、私は大賛成、むしろもし自分が社員だったらすぐに手を挙げただろう。
会社の人事制度に則っていると、結局本人の能力や実績を全て反映するということは難しい。また副業では労働時間や勤務場所の制約を受ける。
個人事業主化することによって副業制度よりも一歩踏み込んで、本業の会社とも「契約関係」ではっきりさせるとともに、労働時間や勤務場所の制約を受けずに、様々な業務を受けて成長の機会を得るとともに、ふ成果に応じた報酬を受け取れる。実力がある人材にとっては好都合である。
実際、アパレル会社ではディレクターやデザイナーなど専門職で能力の高い人は年齢に関わらず雇用契約よりも個人事業主あるいは自分の会社としての業務委託契約を好む。
私は今後、中高年だけではなく、若年層にもこういった制度が広がっていく可能性は高いと見ている。それにより個人は自分がどんな軸でキャリアを積んでいくのか、何を持って価値を提供していくのか、より明確に持つ必要が出てくるだろう。また企業側はより魅力的なビジョンや意義、個人や小さな規模では経験し得ない業務の提供など、本当に働く人にとって魅力的なジョブを提供していくことが迫られるだろう。双方の力学がバランスすることによって人々がより生き生きと働ける世の中になっていくのではないだろうか。
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