見出し画像

金時山〜手軽で気持ちいい山登り。子連れもいいが、一人もいい。

12月のとある週末、久しぶりに一人で山に行こうと思い、比較的近い金時山に行ってみることにした。家から1時間ちょっとで、家族づれにも人気の山として以前から知ってはいたが、結局今まで一度も登っていなかった。

朝、8時登山口の金時神社から出発。ニワトリがたくさん放されていて、けたたましく鳴いている。まるでお見送りされているようだ。

この金時山、坂田公時が小さい頃に鳥獣と戯れていたところから金時山と呼ばれるようになったようで、その話が昔話の金太郎のモデルになったという。

緩い登山道を登っていくと大きな岩が現れる。公時が雨宿りして、寒さのために真っ二つに割れたと言われる「金時宿り石」。どこの山でもこういう大きい岩があるとお約束のように岩の下に木の枝が置かれて岩を支えているかのようにしてある。

中腹まで登ってくると遠くに白煙が見える。大涌谷だ。こうやってみるとまだ火山なんだなと感じられる。

季節のせいもあるが人も少ない。時折子供づれの家族が登っていく。大山よりも人も少ないし坂もそこまで急ではなく、登りやすい山道だ。

息を切らさないように呼吸を意識しつつゆっくり登っていく。そうすると瞑想をしているような感覚になってくる。いろんなことが急に思い出されてきたり、思いついついたり、考え事をしたり。頭の中は常に何かを話そうとする。その度に呼吸に意識を戻す。

「一人で山登ってる間って何考えてんの?」と友人に聞かれた時に、いろいろ思い浮かんできては呼吸に意識戻して瞑想してるみたいな感じ、と答えたら、

「それって楽しいの?」言われた。ごもっともな感想だ。まあ、確かにこうして振り返って書いてみると我ながら変なおっさんだなと思う。でも時々こうして一人で登っていると、なんかスッキリするし、気持ちが落ち着く。

そして山頂に到着。お約束の金時山の看板と富士山の写真を。

年末になるというのに冠雪がない富士山は非常に珍しい。新潟など日本海側はめちゃくちゃ降っているというのに、不思議なものだ。

大涌谷や芦ノ湖を臨む。今日は風もなく、日差しが柔らかくてあったかい。

山頂の金太郎茶屋で「まさカリーうどん」をいただく。

外で冷んやりした空気の中食べる熱々のカレーうどんが最高にうまい。スパイシーで深い味のカレーが体の中から温めてくれる。

都会の洒落た店で食べるおいしい料理も悪くはないが、自分はやっぱり外で食べるこういう素朴なメシが好きだな。

腹も満たされたところで下山。乙女峠へ向かう。

乙女峠から再び富士山を眺める。

澄み渡った空が気持ちいい。

往復3時間程度の手軽な山登りで何だか清々しい気持ちになれる。子連れで登るのももちろん楽しそうだが、大人が一人で登りながら瞑想にふけるにもまたいい。また季節が変わったらきてみよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?