アイツ
コレやっちゃ駄目だからねっていったら「コレ」だけ覚えててやってしまう。
クルマの運転、アクセルに乗せる足を常に微妙に振るわすから同乗者は常にアタマを揺らしてしまう、注意しても一瞬だけ直るだけ、アイツのクルマがクラウンの時は未だ良かったけどプリウスになったら最悪だった。
仕事出来ねえクセに朝はコーヒー片手に出社し出来るオーラを出しておりましたね。
メシはペチャクチャ音立てて喰うなって。
だけどさ、人は良かったさ、忘年旅行会の企画とか人が喜ぶ事好きだったよね、サプライズまで用意してさ。
誰よりも奥さんを大事にしてたのは知っている。
アイツが部署異動して何年も会ってなくて知らなかった年上のアイツはもういない、奥さん病気で必死に看病したけど亡くなってその後すぐ彼も自死を選んだ。
取り敢えず未だ生きてる笑顔の彼の自撮りLINEアイコンに「なんか困ってたんだったら言ってくれれば良かったのにっ!」って愚痴と「じゃあな、さようなら」を言う他無かった。
月に行かせて(笑