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空気階段がキングオブコントで披露したネタと3人の水川かたまり

https://youtu.be/iRuCiPLxUXU

2018年5月25日配信。TBSラジオ『空気階段の踊り場』アフタートークより。

水川かたまり「世界に自分と同じ顔の人、三人いるっていうじゃん。俺もうそれ、全員会ったっていうか。目撃したことがあって」
鈴木もぐら「ええ?」
かたまり「まず一人目は、会ったことはないんだけど。小学四年生の時に、音楽の教科書のあるページに載ってた、モスクワの少年音楽隊で、小太鼓をたたいてる少年が、俺と全く同じ顔してたの」
もぐら「鼓笛隊の?(笑)」
かたまり「めちゃくちゃ似てた(笑)人種が違うだけ。ウイイレとかで肌の色、1,2くらいの差」
もぐら「モスクワにいたんだねぇ」
かたまり「二人目が、中三の時にサッカーの遠征で長崎に行ったの。で、ホテルに泊まってたんだけど、夜友達と自販機にジュース買いに行ったの。そこで、後ろに並んでた少年たちが「おいおいおいおい!アキラがおるでえ!」って騒ぎ出して、肩をたたかれて、振り向いたら「アキラや!」って興奮してんの」

 熊本から来たという、その少年たちに連れられ、かたまりは彼らの部屋に案内された。
そこで出会ったのは、自分と全く同じ顔をしたアキラという少年。
日焼けの程度が異なるくらいの、瓜二つの少年たちは、お互いのサッカー遠征でやってきた長崎で出会った。

それは、2004年のクリスマスのこと。

同じ顔をした二人の少年は、その部屋で一緒に並んで、M-1グランプリを見たという。

もぐら「クリスマス決戦だったもんねえ」
かたまり「そう、南海キャンディーズさんが、世に出た日」
もぐら「そうだそうだ」

 2004年12月25日。
ラサール石井「彼のツッコミは一つも外さないねぇ」
 
***
 
時を進めて2019年。
空気階段は、一流コント師が集まる『キング・オブ・コント』(KOC)の決勝に出場した。
そこでやったネタが、同じ顔をした3人の男を乗せたタクシー運転手のネタ。
渋谷でタクシーを拾った男とそっくりの、トランペットにヘチマが詰まった男と、親族一同ジェネレーションズのライブを観に行った男が登場する。

もしかしたらあのネタは、少年かたまりが、鼓笛隊の少年と、アキラに出会った(実はもう一人、大学入試のときの試験官が3人目として登場するのだが)ことが、きっかけで出来たのかもしれない。

さて。

結果は最下位に終わり、空気階段が2本目のネタを披露することはなかった。
しかし、彼らが用意した幻の決勝2本目に、あるドラマがあったことが、KOC翌週の『踊り場』で明かされた。
 
***

空気階段が「タクシー」の他にやりたかったもう一本のネタは、スクリーンを使ったネタだった。
しかしスクリーンのレンタル費用は30万円。KOCは準決勝で披露した2本を決勝でやらなければいけないルールがあるから、準決勝でそのネタをかけるには30万円を自力で捻出しなければいけない。
だけど、もぐらは借金600万円でありながらも妻子のいる身だし、そもそも空気階段の給料が20万にも届いてないことは番組内でも二人が話している。
30万のネタ。やりたい。でも金が・・・・どうしよう。
 
悩み続ける空気階段は、準決勝にネタをエントリーする直前、あるライブに出演した。
 
ネタコーナー終了後のトークゾーンで、かたまりは面白く話す。「金もないし、今日やった(お客さんの書いた)ネタをしようかな」とかなんとか。そのライブは、お客さんが事前に送ってくれた台本を芸人が披露するというライブだった。
 
ライブが終わる。
???「さっき、なんかかたまりポロっといってたけど、準決勝でやりたいネタお金かかんの?」
かたまり「はい、スクリーンのレンタル費用が・・」
???「ふーん・・OK。貸す」
かたまり「えっ!!」

 
リスナーに台本を送ってもらうネタライブ。
そのシステムを築いたのは、そう。
『水曜JUNK 山里亮太の不毛な議論』番組イベント「他力本願ライブ」である。
 
そして、「今年、お前らが、やりたいネタをやって決勝に行くのが一番だと思うから、貸す。優勝賞金で返してくれ」そう続けた男こそ、2004年の聖夜に現れたあの「ツッコミを一つも外さない男」。
 
同じ顔をした少年と、山里亮太という芸人が表舞台に現れる様子を目撃したもう一人の少年は、自分と瓜二つの男が登場するネタで表舞台に出るチャンスを掴んだ。そして、結果的には叶わなかった2本目のネタは、山里亮太の協力によって披露する準備が整っていたのだ。

(2019年9月27日放送。TBSラジオ『空気階段の踊り場』本編より)

***

とまあ、なんとドラマチック。
このドラマチックは事実と離れた部分をファンが集めたものですが。
恐らく2本目でかけようとしていたネタをKOC後に見れたんですが、面白かったー。怪人かたまりが躍動する最高に馬鹿らしいコントでした。

ちなみに、この話をした『踊り場』は、
「山里さん、30万の返済、もうしばらく待ってください!」という締め方をしているけど、そこから二週の『踊り場』も名作で。
『オールスター感謝祭』の出演が決まった二人が、山ちゃんに返す30万をクイズの賞金で稼ごうと意気込む回と、その結果発表&土屋アンナとの出会いなど、最高の流れがある。

『空気階段の踊り場』TBSラジオクラウドに上がっているので、ぜひご視聴あれ。




それはそうと。

空気階段が決勝の決勝にさえ行けなかったの、山ちゃんのせいじゃん!!おかしいと思ったんだ!!

※ 山里亮太は賞レースにおける"死神"であることは知られている。(GAGは毎年応援VTRを山ちゃんに依頼しているが、未だ栄光は掴めず。『不毛な議論』でプッシュした若手もなんだかんだチャンスを掴めないということで、度々いじられている。)


 

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