香水沼という甘美なもの
身につけるものの中で香水ほど目立たず、しかし人の印象に残るものは他には無いのではないだろうかと思っている。ここ数年、筆者がハマっている沼はいくつかあるが、今回はその中でも「香水沼」について記述していこうと思う。
お気に入りの香りについては既に他の記事で書いているので割愛するとして、今回は香水沼に入って変わったとこととか香水沼の魅力について語ってみようと思う。
香水沼にハマったのは三年ほど前。たまたまデパートで香りを試す機会があり、それが好みだったので買ったのがきっかけだった。そのときは万人受けするわかりやすいシンプルな香りを着けていたが、沼にハマってしばらくしてからは複雑な香りも理解できるようになり、好みも変わってきた。
今も、わたしの部屋の香水置き場には使い切れていない当時の香水と新しい香水が入り混じって置かれている。
香りというのはとても文学的であると思っている
文学作品を元にした香りもあれば、香りからインスパイアされた文学作品も多数ある。文字と香りは相性が良いのかもしれない。
筆者は執筆作業をするときは香水を着けている。気分を執筆モードに切り替えるためのスイッチにもなるし、好きな香りをつけるとリラックスできるという理由もある。
もちろん出かけるときも着けているが、自宅で作業をするときとは香りを変えたりしている。家にいるときは重めな香り。外出するときは華やかな香り、など使い分けをするのだ。
香水沼に足を踏み入れた当初は、周りに迷惑をかけたらどうしようとか、つけすぎを心配していたが、使っているうちに適量も分かるようになったし、香水によってつける場所を変えるということもするようになった。
香水をつける場所は基本的に肘の内側。自分がほんのり香りが分かる程度に香ってくれる。
シャネルの香水は全体的に香りが強いので足首につける。オイルの香水やEDTなどの香り立ちが弱めのものは手首や首筋につけても良いかもしれない。
あまり難しく考えずに、着けたい気分のときに自由に着けている。筆者はなぜかお酒に酔うと香水を着けたくなるので、飲み会のときはロールオンタイプの香水を持ち歩いていて、帰り際に軽くつける、ということもしている。
ときには自分の気分を変えるため、ときには相手に印象付けるために香りを活用することは、日本人は苦手らしい。
もっと自信を持って、自分の好きな香りを身につける人が増えたら、日々の暮らしもちょっと変わって見えるかもしれないと思ったのだ。