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【1】 #かんたんなアンケートと300字で勝手に本をおすすめする 伊丹十三『問いつめられたパパとママの本』

こんなことを、はじめることにした。

ツイートに書いてある通りなのだけれど、かんたんなアンケート(年齢とか性別とか、好きな色とか)と300字のなんでもいいなにか文章のようなものを書いてもらって、それを読んでわたしが独断と偏見で本をオススメする。

最初は400字にしていたのだけれど、原稿用紙1枚分と考えると少し長いような気がするし、140字じゃ少し物足りない気がした。だから、あいだをとって300字。

ツイートしてから約1日が過ぎ、60名を超える方々がアンケートに登録してくれた。ので、今日から少しずつ、noteでお返事をしていこうと思います。ペンネーム欄を設ければよかったと本当に今さら後悔しているが、時すでに遅し。

なぜこのようなことをするのかというと、目的は特にない。ただ、いろんな人が自由に書く300字の表現が知りたいと思ったし、それを読んでわたしが想像した本の話をつらつら書きたいと思った。本当に、ただそれだけなのです。

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【#1】37歳・男性・プロダクトマネージャー

好きな映画:キングスマン
好きな作家:森博嗣
好きな色 :黄色
最近興味があること:子育て

子供が生まれておよそ4ヶ月立ちました。かなり首もすわり抱っこしやすくなってきています。正確な数値は忘れてしまったのですが、父親は子供としっかりと接することができるのが、1%とか2%ない位らしいです。正直寂しいのですが、その分いま嫌われるくらい抱きしめてやろうと思っています。

おすすめしたい本:伊丹十三『問いつめられたパパとママの本

お子さんが生まれたとのこと、おめでとうございます。4ヶ月といったら、本当にかわいい時期なんだろうなあ。「嫌われるくらい抱きしめてやろう」という言葉に、すごくほっこりした気持ちになりました。

そんな愛にあふれるおとうさんであるあなたにお勧めしたいのは、伊丹十三さんの『問いつめられたパパとママの本』。

光陰矢の如し、きっと時はあっという間に過ぎていきます。2歳くらいになるとお子さんは少しずつ言葉を話すようになり、世の中に対する好奇心が「言葉」となってご両親にぶつけられるようになるのだと思います(私にはまだ子どもがいないので、正確にはわからないのですが)。

「空はなぜあおいの?」「どうして夏は暑いの?」このように、大人になった私たちはもう疑問すら抱かなくなってしまった「問い」をぶつけられるときがくる──。この本は、子どもの好奇心をつぶさないための、大人のための教科書のような本です。

子供の質問というのは、素朴で根源的であるだけに、難問であることが多いのであります。親のほうはハタと困ってしまう。そうして、こういう時の親の態度というのが大切なのですよ。実に大切だ。子供の心は染まりやすい。

確信のない、ごまかしの返事をしたり、「うるさいわねえ。ママ、いま忙しいのよ、サ、いい子だからあっち行って遊んでらっしゃい」などと逃げをうつ。こういうことが積み重なると、折角の子供の好奇心の芽がどんどん摘みとられてしまって、遂には知識欲のまるで乏しい子供ができてしまう。(中略)

子供の好奇心を、正しくいい方向に伸ばそうではありませんか。それは無限の可能性を秘めているみずみずしい知識の若木なのですから。そうして、そのためには──子供に問いつめられたパパとママよ、まずあなた自身が科学的な物の考え方を身につけるほかないと私は思う。知識に対する、憧れと畏れを身につけるほかないと私は思うのであります。(前書きより)

お子さんの好奇心の芽を素敵に伸ばせるおとうさんでありますように、という願いを込めて、この本をおすすめしたいと思います。


【#2】22歳・女性・大学4年生

好きな映画:天使にラブソングを
好きな作家:ちばあきお、綿矢りさ、吉本ばなな、尾形真理子
好きな色 :紫
最近興味があること:哲学とナリワイと恋の価値

あかしさんこんばんは。私は最近恋愛することの意味について考えています。周りの友だちがもう社会人になるからか「好きかどうか」よりも「勝算があるかどうか」の恋愛に走り出しているのが、悪いことではないと思いつつも、なんだかみんな何かから卒業しちゃったみたいで寂しいです。

彼氏彼女になるとか、夫婦になるとかに対して、本当にそれが「好きな人と」なのかを差し置いてしまうのは、何故なんだろう?と考えています。

ひとりぼっちになるのが、誰かを愛せないことよりもよっぽど怖いのかなと思っています。そう考えると、恋愛の価値は、誰かを愛することではなく、自分を愛することにあるのかな?なんて考えたりもしています。でも私は、やっぱり恋がしたいです。(意味不明でまとまりなくてすみません)

おすすめしたい本:岡崎京子『恋とはどういうものかしら?

こんばんは。恋愛することの意味、わたしもこれまでに一度ならず、何度も何度も考えてきました。恋愛に関する小説やエッセイや漫画を読むのがとても好きで、300字の文章を読んだとき、「どれをおすすめしようかなあ」と悩み……かけたのですが。

「ひとりぼっちになるのが、誰かを愛せないことよりもよっぽど怖いのかな」「恋愛の価値は、誰かを愛することではなく、自分を愛することにあるのかな」、なんだかとても詩的で素敵なフレーズで、この漫画しかないかなあと思ったので、おすすめさせていただきます。

岡崎京子さんの漫画は、狂気的で暴力的で詩的で哲学的だ、と私は思っています。中にはとうてい理解できない非情なシーンもたくさんあるけれど、でもどこかで気持ちが理解できてしまう自分も、一歩間違えればそうなり得ない自分にも気づいたりして、まさに心の奥底をえぐられる、ような。

この本は、そんな岡崎京子さんの「恋」に関する短編・中編漫画を1冊にまとめたもの。恋に溺れる女の子、本気で誰かを愛すことができない女の子。この本には、たくさんの女の子たちの、たくさんの「恋」がつまっています。(私が好きなのは、「恋人たちI」「恋人たちII」「冷蔵庫女」などです)

恋とはどういうものなのか考えたくなる──そして恋なんてやめたくなるし、それでも恋がしたくなる一冊を、おすすめしたいと思います。

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こんな感じで、マイペースに更新していこうと思います。回答は順不同。アンケート、まだまだ募集しています。



ありがとうございます。ちょっと疲れた日にちょっといいビールを買おうと思います。