片想い
片想いの友達がいる。
正解に言うと
『わたしが女友達に片想いしている』
というのが正しい。
彼女と出会ったのは高校生のとき。
当時はそんなに仲が良かったわけでもなく、登下校でたまに一緒に帰る程度だった。
高校を卒業して、とあるグループに入れてもらったのだがその中に彼女がいた。
そのグループで、毎日のように遊んだし(それぞれ大学や短大はバラバラだった)初めてのオール、泊まり、2ケツなど、『高校を卒業したらやってみたいこと』みたいなのの代表的なことは一通りやったと思う。
グループ内は恋愛禁止!とか言いながらちゃっかり恋愛もしたし、とにかく『青春』そのものだった。
それが、短大組が卒業する頃にはなんとなく疎遠になり、毎日のように集まっていたのが嘘のように、連絡も途絶えていった。
その中で唯一、連絡を取り続けているのが『片想いの彼女』だ。
なぜ、片想いなのか。
彼女もわたしのことを友達だと思ってくれていると思う。
だけど、彼女の『思い』よりわたしの『思い』の方が大きいと思うからだ。
根拠は特にないのだけれど。笑
彼女は家族をすごく大事にしている。わたしももちろん家族を大事にしているけれど、同じくらい彼女のことを気にしている。
何かあれば飛んでいって話を聞いてあげたいし、記念日にはかかさずお祝いを贈りたい。
人生で初めてのスノボーも初めての合コンも、初めてのグアム旅行も。
全部全部、彼女とだった。
『こんなこと一緒にしたなぁ』
『あんな話して笑いあったなぁ』なんて、未だによく思い出す。
それもきっとわたしだけだろう。
だから。『片想い』なのだ。
ちょっとストーカーみたいだと自分でも思う。笑
彼女はわたしと同じで、背も低いし、めちゃめちゃ美人なわけでもない。←失礼すぎる。笑
若い時は甘え癖もあったし、どちらかと言うとワガママ女子だった。
それでも、とにかくわたしは彼女のことがスキだった。
わたしも彼女も妻になり、母になり。
彼女は5年ほど前にプライベートですごくツラい経験をして、少し変わった。
幼さの残るワガママがなくなって、柔らかく、そしてすごく優しい女性になった。
わたしはますます彼女のことが好きになったけれど、お互い忙しくなり、家も少し離れてしまってからあまり会えなくなった。
6月6日はそんな彼女の誕生日だった。
最近noteで読んだいくつかの素敵な記事で芍薬にすごく魅力を感じて、彼女にプレゼントすることを思いついた。
花を送ったことなんてなかったけど、彼女の柔らかい雰囲気と、温かいお家にぴったりだと思ったてピンクの芍薬を。
わたしの勝手な独りよがりのプレゼント。
彼女はきっと驚くに違いない。
気に入ってくれるだろうか、迷惑に思われないだろうか。
と、気を揉んでいたら、
メッセージが届いて、喜んでくれていることを知った。
彼女の手によって水揚げされたピンクの芍薬。
まだ少し固さの残る蕾が愛らしい。
花開くのが楽しみと言ってくれた彼女。
なかなか会えなくて寂しいけれど、これからも元気で楽しい毎日を送って欲しい。
少し照れ臭いけれど、
また誰かに花を贈るのも良いなぁ、と思った今日この頃。