エクストリーム・ディーラー
「ラァッ!」「ぐほっ」女スケーターの肘が併走しているBMX男に刺し、転倒させた。その後にもう一人が迫る。
「ウラァ!」男は前輪を持ち上げ、タックル繰り出す! 「グッ!」転ぶ女!
「DEAだ!大人しくしろ!」男は前輪を女の脛に当てた。「パックを渡せば逮捕で済ませてやる」
「誰が、お前らなんかに……」「ならば!」「がぁああ!」男はペダルに体重を掛ける!「潰してから渡してもらゴぼーッ!」
男は腹を貫いた鋼刃を訝しく見下し、絶命した。その後ろにいたフードのスケーターが刃を抜き、バタフライナイフの要領でボードに納めた。仕込みスケボーである。
「ルシータ、大丈夫?」フードを外し、精悍なモヒカン女が尋ねた。
「足がっ」「後は私がやる」
ルシータは悔しげに唇を噛みしめ、パックを渡した。
「頼んだよ、リタ」
リタは頷き、ボードに乗って走り去った。
彼女らはエクストリーム・ディーラー。九割が斜面のこの町で、ヤバい仕事の請負人だ。
(続く)
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