見出し画像

武・ガイ&テッド・新井 ライフガーディアン双傑!②

前回

「クラーナ!」「クラーナだ!」

 道路橋の上、塾帰りの小学生たちがウイルスマンの集団に指さして叫んでいる。

「シャダファッカ!」首領格のウイルスマン、クラーナオリジンは手を翳した叫んだ。「クラーナコップ、餓鬼どもに思い知らせてやれ!」
「ガッテン」

 巡査姿のウィルスマン、クラーナコップはホルダーから拳銃を抜き、餓鬼どもに照準を合わせた。元は民衆を守るための公権力が今、民衆に向かって牙を剥く!

wu_guy:子供が危ない.、降りる。
ted_alai:MJD?100メートル上空で?
wu_guy:無問題。

 その時、クラーナコップの前に、白黒の流星が炸裂した。

 CRAAAASH!!!

「クワバラーッ!?」バラバラになってふっ飛ばされるクラーナコップ!地面にクレーターが生じ、土煙と粉塵が舞い上る!

 「ヌッ、一体何が起きた!?ミサイルか!?」

 騒然としたウイルスマン一団。

「いいえ、この国はウイルス対策に、市街地のど真ん中でミサイル程の武力を使用すりなど考えにくいでござる!」
「政府が四方から叩かれるでござるよ!」

 と迷彩服を着たミリオタクラーナが答えた。緊急事態で町が空けていることに乗じて市街地サバイバルゲームに興じていた彼らがウイルスマンに遭遇し、変貌を遂げた。

「ならなんだっていうのだ!?」とクラーナオリジンが苛立たしげに問った。

 この中で起きたことの全貌を見たのは、分厚いメガネをかけたサラリクラーナだけ。突然変異によって超視力を得た彼はメガネのブリッジに指を添えて言った。

「ほう、超高空からの飛び蹴りですか。大したものですね」
「視たのか兄弟!もったいぶらないで教えろ!」
「ついさっき、上空に飛行機らしき物体がよぎりました。その直後、ひとりの人間が我々に向けって急速にダイブしてきて、クラーナコップ同志の脳天を蹴りを入れました」
「なんと、玉砕覚悟でコップ兄弟と相討ちしたか。人間でありながらアッパレ」
「はい、ウイルスマンですらバラバラになるぐらいの衝撃、人間が生き残るはずがありません……」

 しかし薄れていく煙幕の中、佇んでいる人影があり。武・ガイである。アフロと空手道着が僅かホコリ被っただけで無傷!

「生きてるじゃないかッ!」

「ほほう、大したものですね。常人ならとっくにミンチになったはずなのに、さしずめ超人的な身体強度といったところでしょうか」

 それだけではな。武・ガイは内功修練によって超人的な身体強度を持っているが、彼が落下ダメージ一切負わなかった本当の原因、それが軽功にある。

 軽功、それは中国武術における身のこなしを研鑽する技術。早く走り、高く飛ぶだけでなく、受け身、回避動作、それらすべてが軽功の範疇に入っている。軽功を修得すれば、例えゾウアザラシのような鈍重の男でもバタフライみたいに軽やかに飛び回る。さらにNASAの研究によると、軽功を極めた者は軽功が行使する場合、本人がの体重が5%~85%減少したり、周囲の重力が軽くなったりする現象が発見されて、物理学者たちはある結論に辿り着けた。
「軽功を極めし者は時に三次元を枠を越え、第四、あるいはそれ以上の次元を一時的に踏み入れられた。タイムトラベル、テレポートを成功させる鍵は、軽功にあるかもしれない」

 武・ガイは体重92キロ。100mの高さからの自由落下した場合、その速度は時速140に達する、地面にぶつかるまで4.5秒。重力加速に相まって960㎏程の矢に化した武・ガイは、クラーナコップの脳天を蹴りで割った。その衝撃がコップの全身に伝わり、破壊した。

 しかし武・ガイはクラーナコップの頭頂部に接触した直後、全内功を軽功に回し、瞬間に体重を5.2㎏に変化したことで、残り僅か100㎝の距離で前転して受け身を取ることに成功しmガッチョウの羽の如く軽やかに着地した。

「ライフガーディアン、武・ガイ」と言い、武・ガイは双拳を握り、左が顎の横、右が顎の前、由緒正しいボックシングの構えを取った。「推して参るッ!」

「上等だクラァ……!」

 同志が失ったクラーナクラウンは憎らしげに武・ガイを睨み返す、その目は兄弟の死で怒りに満ちている。一触即発の状況!

ted_alai:HQに通達。ガイは先に降りた。交戦を開始した模様。
zen_mask:Copy that テッドは直ちに援護せよ。即時雨のコントロールはマザーイーグルに回せ。
mothereagle:Copy that。リモートワーク開始。リモートワーク制御完了。I have control
ted_alai:サンキューマダム。そんじゃいくぜ。

 モニターに「REMOTE WORK」の文字が表示された。テッドはもう一度装備の再チェックを行った。銃よし、マガジンよし、拡充バックパックよし、パラシュートよし。

「まったく、相棒があれちゃあなぁ……」呟きつつ、テッドはシートの左側にあるレバーを引いた!するとシートの下にあるハッチが開き、テッドがシートごと空に放り出された!

「ジェロニモーッ!」

 テッドが落ちる!戦場に向かって!

(続く)

当アカウントは軽率送金をお勧めします。