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三つだけじゃ足りへんやろ

※性的な内容が含まれています。お子様に良からぬ影響を及ぼす可能性がありますのでご注意ください。

三年前か、初めて大阪に行った時の話。

夜、日本橋でたこ焼きのたこをエビに変えたやつで晩酌をきめた。旅行初夜、見知らぬ街、アルコール。これらの要素が僕の心を躍らせた。大通りに出て、堺筋を沿って南の方向へ。平日なので人があまりいなく、すぐに事前調べた目的地である中古CD屋に辿り着いた。

名前は憶えていない。中古CD、楽器、芸能関係グッズ、AV、アダルトグッズまで扱っている店だった。看板は確かにサムライもしくはカブキの絵が描かれていた気がする。とりあえず入店。一階はCDのフロアになっている。

今回も目的は、まずまた入手していないレッドホットチリペッパーズのアルバムを買い足すことだ。洋楽の棚はそこか。R……イニシャルRを探せ、レッチリレッチリレッチリ……あれ、ないな?さすがレッチリ、音楽が良すぎてみんながCDを売るのが忍ばないってわけか。でも遥々みなみの国からきたし、『何の成果も、ありませんでしたッ!』って帰るのもなんかね。一応聞いておこう。

一階唯一のスタッフは頭をツーブロックに刈り上げて黒いバンドTに黒いパンツをきめたパンク風のネーさんだった。普段なら絶対びびって話しかけたりしないが、今日の僕は旅人で、アルコール影響下で、強い。ネーさんの目を真っすぐ見て、尋ねた。

「すみません。レッドホットチリペッパーズのCDはありますか?」
「うーん、棚に無いのならないですね」
「そうですかァ。失礼しました」
「あっ、いいえ」

さすがレッチリ、音楽が良すぎてみんながCDを売るのが忍ばないようだ。えかったえかった。

せっかくだしアダルトグッズのフロアである三階を周ってから店を出ようか。遥々みなみの国から来たしね。

なるほど、アダルトグッズ以外AVも置いてある。一階二階は客が全くいなかったが、三回だけ僕のほかにおっさんが数人いた。スケベ、時間場所問わずってか。だとしたら僕もスケベか?フォロワーが失望しちまうぜ。

股間に集まりそうな血流を抑えながら一通りフロアを周り、グッズのパッケージを堪能した。提げているバケットの中につるペたの褐色肌フェアリーが書かれたボックスが横たわっている。プラスチック骨格内蔵でフェアリーファックを忠実に再現だって。やばいぜ、発想がサイコだ。流石HENTAIの国だぜ。僕は豊満な女性が好みだが、骨のある奴も大好きだ。今夜は愛し合おう。

ついでにPOCKET TENGAも2つバケットに入れて、レジへ向かった。レジの上に、AVのパッケージがタワーみたいに積まれている。ぱっと見15枚ぐらいあるそうだ。

「らっしゃいませィー。えっと」

僕の存在に気づいた店員がこっちを見て、AVタワーを見た。

「こちらも全部客様の?」
「いや違います」

僕は即答した。二次元じゃ抜けない体質なんでね。

「そうでぇすねぇ!こんなに新作みたら3つだけじゃ足りへんやろって思いました」
「ハハハ!」

酒がまた残っていたせいか、店員のジョークに引かれて声を出して笑った。さすがGagの街だ。

会計を済ませて店を出た僕はそのあと寿司を食って精をつけ、ホテルに戻ってフェアリーファックに興じた。詳細は省く。

フェアリーを洗いながら、賢者モードで店のことに思いを巡らせた。あのAVタワーは一体何だったのか?あれほどのパッケージをレジに積んでおいて、「また足りぬ」と思って物色を続けていた人が居たのか。

居たとしたら、そいつがマジもんのSS(スーパー・スケベ)やで。

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