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ファスト・アス・ライトニング賞、受賞のお知らせ

 パーン!ニンジャヘッズ御用Barの扉が勢いよく開けられ、入り口に辮髪のティピカルなチャイニーズが立っていた。店内のヘッズ達は険しい顔になり、彼を睨みつけた。

「ヘイ、ガイジン。ここはアンタみたいな奴が入っていい場所じゃないぜ。怪我する前にとっとと帰り……」

 屈強な南米系バウンサーがチャイニーズの肩を抑え、店外に押し出そうとしたが。

 ヒュッパーッ!鞭撃のような風切り音と爆発音、バウンサーの人中(鼻と唇の真ん中にある溝の部分、強く突くとやばいとか)が内出血で赤く染まり、床に倒れた。目に留まらぬ稲妻めいた一突きだった。これが東洋の神秘的武術「テン・マーク」である。

「……何の真似だ?」

 初老の強面ヘッズは拳銃を抜き、チャイニーズを狙い定めた。他のヘッズは彼を倣って、スリケン、投げナイフ、ソードオフショットガンなどを構えた。一触即発の状態。チャイニーズは剣呑な面々を見渡すと、左掌に右拳を当て、拱手の礼、あるいはカンフー・カラテ式アイサツのジェスチャーを取った。

「ドーモ、皆さん。アクズメです」

「むぅ……ドーモ、アクズメ=サン。ヴェテランヘッズです」

 初老の強面ヘッズが代表アイサツを返した。ニンジャではないため、アイサツされると必ず返さないといけないルールはないが、それでもアイサツは丁寧に返す、ニンジャの性だというべきか。

「皆さんが酒やニンジャの話で盛り上げているところお邪魔して、申し訳ありませんでした。しかしどうしてもお伝えしたいことがあったんです。ちなみに床に倒れている彼は無断で私を触ったので正当防衛を行使しました」

「御託はいい、アクズメ=サン。さっさと要件を言え」

「そうですね。では参りましょう。この間、ニンジャスレイヤー222に当たりまして、このような記事を投稿しました」

「あー、これか」「俺見たことある」「おれも」「こいつが書いたのか、へー」ざわめくヘッズ。

「そしてっ!」注意を引くべく、アクズメはわざと大声で言った。「ついさっき、ニンジャスレイヤー222の受賞作品が発表されたです!なんとぉ~」

「マジかよ!?」「すげえじゃん!」「オメデト!」さっきまで殺伐としてアトモスフィアが嘘のような称賛と祝い、スキが増えていく!

「なんだよ!そんなこと最初から言え!あっと」ヴェテランヘッズはアクズメの肩を叩こうとしたが、触れた直前に手を止めた。「触れるのいやだったな。カウンターまで来いよ。一杯くらい奢ってやる」

「ありがとうございます」

 アクズメは一礼し、ヴェテランヘッズについて行った。

「おっ、こんどはシックスゲイツ賞の発表が来たぞ!」「これ見たころある!」「すげえぜ!」

 またまたボント&モーゼスのコメントがある。祭りは終わっていない。

ニンジャスレイヤー222の投稿作【パワースポット・オフ・ニンジャ:ハンドレッド・ニンジャス・ストリート】にスキしたりTwitterで紹介してくれた方々、ありがとうございました。数年まえ百忍街を通り、その札を見た時から「お前からすごいニンジャパワーを感じた。どう?おれと組まないか?世界ニンジャの高峰に連れてってやるぜ!」とずっと思っていて、小説を書くか、シュマグを頭に巻いてカラテするビデオをとるかと悩んだが、やはりストレートに、ガイドブック風に仕上げました。楽しませてくださったら幸いです。百忍街……おまえやはりすげえ奴だなと再確認しました。来週はまた行って、記念写真を撮るつもりです。ではおやすみなさい。


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