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炎天下の聖戦旅 1日目

地球史上最高気温と言われるこの夏、ラッコがサーファーを襲い、イルカが体当たりで海水浴客を骨折させ、中古車売買業者が即席ブラックジャックで車を叩いて保険金を引き上げる。そしてなりより暑すぎる。

世はまさにケオス状態。暑すぎるといろいろおかしくなるようだ。そんな狂った世の中を遠ざけて冷房が効いた室内に篭って冷たいドリンク飲みながらゲームやったりするのが最適解だが、私は数ヶ月前に福岡への航空券を予約していた。行かねばならぬ、ヤツを会いに。

飛行機は今回もSTARLUXさんを利用した。ちょうど現在は世界中大ヒットのアクロス・ザ・スパイダーバースとコラボしている。それがどうなるかというと、

機内エンタメデバイスの待機画面にスパイダーマン
チケットに大量のスパイダーマン
スパイダー機内食にスパイダースナック、スパイダーナプキンなど

まさにスパイダーつくし。外装を赤黒くペイントしてスパイダージェットにまで行かなかったのは残念。

福岡はみなみの国より緯度が高いので若干涼しくなるんじゃないかと思ったがそんなことなかった。みなみの国と同じぐらいむし暑い。スーツケースを転がして博多駅に到着した際は服が60%濡れた。

また3時になっていないけど既にウェルカムバーは準備が整ってある。

早速一杯頂こう。涼しい。

付近の居酒屋で使えるクーポンもいただいた。いいじゃないか、積極的に使っていこう。

少し休憩を取り、再び出かける。天神で人と会う約束がある。

ここは磯丸水産大名店。俺の向かい席に座っている品格のある紳士は逆噴射小説大賞ファイナルリストにしてパルプマガジン無数の銃弾の発行者、城戸圭一郎編集長だ。

我々はてんちか入り口で合流し、拳を短く交わした後にここへやって来た。

海の幸で舌鼓を打ちながら、談笑を咲かせた。話は酒と飯、そしてみなみの国について話をした。は初対面でありつつも久しぶりに会った友人のように盛り上がった。そして貝が美味い。こんなレベルの海鮮を近所で食べれる環境は世界的に得難い。国籍は放棄するもんではないよフォロワー。

海ぶどうの初実食。海ぶどう事態はほとんど無味でドレッシングが味しかしない。放置すると粒々が萎縮して見た目を悪くなる。

炙りサバ。まるで果物のように甘酸っぱくてフレッシュだった。店長らしき男はこれがおいしくて自腹でお持ち帰りして家族と食べたと自慢げに語っていた。

そして蒲焼だ。これがないと聖戦が始まらない。イールを恨んでいる原因を説明すると城戸さんが俺の思想に大いに賛成してふたりで協力してイールをやっつけた。

磯丸水産は居酒屋なのでアルコールの種類も豊富。特に爆弾酒は前々から気になっていた。

爆弾酒『風神』。日本酒をシャーベットにしてさらに梅酒を注ぐやばいシロモノだ。一体どれほどの酒を飲みながら酒のことを考えたらこんな物が産まれるか?しかも美味い。酔う。これを考案したやつはアルコールの地獄に堕ちるに違いない。

腹が膨らみ、いい感じになった我々が次にキャナルシティ博多へとやってきた。そこで信じがたい光景を目にした。

なんてこった!キャナルシティ博多はBANDAIの根城になっていた!BANDAI、BANDAI、BANDAI……目に見えるすべてがBANDAIの息がかかっている!

実に、実に気に入らないぞ!自分たちで見放したコンテンツのパネルやグッズを出して残り僅かな価値を搾り取るというBANDAIのやり方をよ……!

「ところで城戸さん、クレーンゲームに自信はお有りか?」
「うーん、まあままかな?なにゆえそれを聞く?」
「ではお手並み拝見していただこうか」

俺は城戸さんにコイン2枚を渡した。

「このハローを見事に入手して見せよう」
「よかろう、任せさなさい」

コインを滑り込ませてゲームスタート。ハローのゴムボールはサイズがちょうどいいうえに形が丸いから難易度が低いと予想したが、爪で完全にホールドしたにもかかわらず、1㎜も持ちあげれずに元の位置戻っていく。

「こ、これはっ!?爪のパワーがクソザコすぎる!」
「それがBANDAIのやり方よ」
真実まことか……許せねぬぞBANDAI!」

こうして今夜はもう一人、新しいアンチBANDAI戦士が産まれた。革命の狼煙あげよう。

同志の盃を交わすべく博多駅に戻り、適当の居酒屋に転がり込んだ入った。

お通しに苦手のキュウリがポンと出たが、食物繊維なので頑張って食べた。ほかに博多名物の鶏皮ぐるぐるのやつも食べたがこの際はけっこう仕上がっていて写真を撮る前に食いつくした。

夜が深まり、そろそろ城戸さんが愛する家族のもとへを戻る時だ。我々は博多駅で別れ、それぞれ帰路についた。また初日なのに楽しすぎる。いいスタートとなった。

(2日目に続く)


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