見出し画像

鮮蝦雲呑撈麵

今日は麺が食べたい。ついでにワンタンも食べたい。ワンタン麺にするぞ。というわけでこの店に来た。

この前紅油抄手坦々麺を食べたの近くにある。この辺はヌードルショップが多い、ちょっとした戦区だ。この店は昼食の時間になるといつも混んでいるが、今はちょうど午前11時、またスカラカンだ。ガラスを越しに客席で餃子やワンタンを包む作業をしている中年の店主夫婦が見える。遠慮なく入店。もうやってる?はい、ひとりで。

注文用紙を持って着席。何があるか……ってこの店エビワンタンしかないじゃん!嗚呼エビワンタン、世界がっかりフードランキング7位(個人の感想です)、食べる度に死ぬほど後悔する。だって申し訳ないほどのエビ肉しかはいってないし川がめっちゃ余るもん。はぁ……

俺はすべての望みを捨て、鮮蝦雲呑撈麵にした。まあ所詮麺一丁で300円未満の店だ、それ以上の質を求めるのは酷であろう。注文を伝えて、忍者と極道の更新を読むうちに、麺が届いた。

(むぅ)

あまり期待していなかった俺がまず、ワンタンのサイズに驚いた。

画像1

横にある白菜と比べればわかるだろう。碗の中に、ピンポン玉大の物体が五つある。やばいな、中身はともかく、でかいワンタンが好きだ。これはもしかしてやってくれるかもしれん。俺は碗を持って調味料のコーナーに行って、辣豆板醬をかけた。そこに麺があれば辛くする、それが俺が背負っている業。

席に戻り、ようやくディッグ・イン。まずはワンタンからだ。フゥー、フゥー……はむ、もにゅ……バチッ。

バツ、バチ。弾力のあるエビ肉が口内で跳ねてやがる!こいつは申し訳ない程度のエビを入れただけのエビワンタンではなく、本物だ!エビの歯ごたえを楽しむ後、豚ひき肉の甘みが広がる。皮は薄くてもしっかりしていて、余程つつかない限り破たりはしない。この店が人気の理由が分かった。実にいいワンタンだった。

ワンタンを楽しんだ後、いよいよ麺に箸をつける。

画像2

ほほう、香港の麺でよく見られる雞蛋麵か。小麦粉と卵黄を一緒にこねて、平べったく黄色っぽい麺である。ちなみに撈麵の撈は広東語で混ぜるの意味らしい。日本語に翻訳すればエビワンタンの混ぜそばになりそうね。説明長いわ、食べるぞ。ちゅる。

わお……エビだ……麺にエビの味が染み込んでやがるぞ!なぜだ!?あっ、麺の下に茶色のタレ、それってまさか!?ズズ……やはりな!これはエビのだしよ!麺のタレにエビの旨みが凝縮したエビのだしを使うとは!ちゅるるる!考えたものだぜ!ズズーッ!俺はエビの身よりエビのスープが好きなんだよねぇー!!

ごちそうさまでした。いやぁ、美味かった。ワンタンのもいいし麺のいいし、そして海老い(形容詞。ものごとがエビっぽく感じるさま)。もうすっかりファンになった。また来ることになるだろう。

当アカウントは軽率送金をお勧めします。