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#辛い麺メント
スレイド・オブ・辛い麺メント
ビジネスホテルのロビー。
ラップを剥き、露わになったアナゴ・スシをしばらく眺めてから、口に放り込む。シャリの酸味、タレの塩味、アナゴの緻密な舌触りが口内でハーモニーを奏でる。アナゴ、つまりイールを食すことは俺にとって食事以上に、邪竜イールに対する聖戦行為である。旨いスシと宗教的高揚感がコミコンと戦闘と飲み会で疲れたニューロンを癒す。頭の中に慈愛に満ちたジュクゴマスターのご尊顔が浮かびあがった
辛い麺メント IN TOKYO [EPILOGUE] #ppslgr
「なぁ飲みもの来るの遅すぎない?」俺は空になったジョッキを見て言った。「注文してからもう……どれぐらい立った?五分?」
「人手が足りないのよ。日本全体の人手が不足すぎる」とR・Vが呟いた。なんか感傷的な気分に陥っている?もしかしてもう酔ってる?
あのあと、我々はケジメと称してM・Jを斥侯として遣り、何軒もの居酒屋に聞いた後、やっと五人が入れる店を見つけた。フライデーナイトだけあって店内は混んで
辛い麺メントIN TOKYO⑦ #ppslgr
「フプッ、あ、ありがとうございます……」
ミルクを飲んでだいぶ咳が治まった名札に店長と書いてあった男に俺は腕を貸して立たせた。
「ここは危ないです。早くバックドアから出たほうがいい」
「ンッフ、そうします……貴方は?」
「俺は大丈夫です。急いで」
店長を俺は破られたショーガラスマラーラーとブルタルダーヴィの戦いが勢いを増し、まるで赤と黒、二つの竜巻が絡み合っているようだ。「俺は……」
辛い麺メント IN TOKYO④ #ppslgr
新橋駅、駅構内の蕎麦屋。
『ヌルい麺ばかり食べやがって』
マラーラーは客席置いてある七味唐辛子の瓶を両手に取り、親指でギャップを弾き飛ばした。
『もっと辛くしろ、お前なら食える』「えっ、ちょっ」『辛い麺を食え』「何するんですか!?」
無造作に客たちの麺碗にまる一本ぶっかけ!茶色のだしが赤に染まっていく。空になった瓶を放り捨て、次の唐辛子瓶に伸ばす手が突如横から差してきた長箸に止められ