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「等身大の会社説明資料」に辿りつくまでの、個人的挫折と開き直りマインド

昨年9月、初の会社説明資料ペイミーまるわかりBOOKを公開しました。全て手探りで、実は一度企画自体が頓挫し、凍結期間を経ての再始動、公開でした。そこにはプロジェクトオーナーである私の、個人的な挫折と開き直りが詰まっているので、その辺あけすけにお話ししたいと思います。

会社説明資料(スタートアップでは採用ピッチ資料とも呼ばれる)は最近流行っていますし、私も絶対作成した方がいいと思うのですが、

・何から手をつけていいかわからない...
・誰がPJを推進すべき?
・魅力的な資料にするには?

と悶々と悩んでいる方も多いのでは。そんな方に少しでも参考になれば嬉しいです。この問いへの私なりのアンサーは最後に記載します。

創業2周年にあわせて、何か武器が欲しかった

ことの発端は昨年5月頃、代表後藤の「カルチャーデックを作りたい」という発言でした。「シリコンバレー発の最高の文書」と言われるNetfrixのカルチャーデックに触発されてのことです。

当時のペイミーは、採用を強化していきたいという機運が高まっており、1ヶ月半後には創業2周年という世間からも注目いただける絶好の機会が訪れます。その時に何か武器が欲しいと、人事の私(まだペイミー副業期間中)がプロジェクトオーナーとなり動き出しました。

全て整えとうとして、何も形にならなかった。プロジェクト自体も凍結。

まずは代表の後藤とデザイナーの高橋と3人で、目的の整理から始めました。「資金調達のため?」「社員のエンゲージメント向上のため?」「採用のため?」どれも大事だし捨て難い。であれば現在の会社の最優先事項に合わせるべきで、それは「採用」だ、と結論づけました。

私は一貫性を好む人間です。会社説明資料が会社を売り込む営業マンだとしたら、会社の顔はコーポレートサイト。両者のコンセプトの一貫性が必要だ!と思いました。

ペイミーのコーポレートサイトは創業期から変わっていない、とてもシンプルなものです。後から作ったサービスサイトともトンマナが違い、お金の領域を扱う会社でもあるためちょっと固めのテイストです。でも、現在の世間のペイミーのイメージは、黄色くてポップなサービスサイトのイメージ。

ペイミーのコーポレートサイト、信頼感を醸成する青色を基調に。
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↓こちらはサービスサイト。ポップな黄色と可愛いペイミーくん。
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コーポレートサイトに信頼感が大事だとしても、あまりにもイメージの統一ができていない。私が最初に提唱したのは、コーポレートサイトの改修でした。

でも、コーポレートサイトの改修は会社の一大事業であまりにも重い。コーポレートサイトとは別にペライチの採用LPを作るという折衷案?になりました。

この時点で、期限の2周年まで残り1ヶ月弱。もともとギリギリなスケジュールの中、副業で稼働時間が限られている私が、気合いでボールを持って、結局本業で動けない...。本当に恥ずかしいことをしました。どう頑張っても間に合わない、となったのが期限まで二週間。プロジェクトはpendになりました。恥ずかしくて申し訳なくてもうペイミーには戻れない、とすら思いました。

「資料だけ作り切る!」 目的をコンパクトにし、再始動。

と言いつつペイミーに居座っていた私。やっぱりやりきりたい!と大迷惑をかけたデザイナーさんを巻き込んで、プロジェクトを再始動させます。

一気に色々やろうとしすぎたのがまずかった、今回は会社説明資料を作りきることに注力しよう。拡散手段はSNSとコーポレートサイトからのリンクで十分。届く人に届けばいい、と開き直りました。

↓もともと描いていた手描きラフ。これを原案に約2ヶ月の凍結期間を経て、google slideに構成を落とし込み始めました。

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世に溢れる立派な資料は、側じゃなくて中身が立派なんだと気づき、落ち込む。

構成を作っている時も、苦悩しかありませんでした。

参考にさせていただいていたのは、SmartHR社の会社紹介資料と、ミラティブの採用候補者様への手紙。最初は資料として超素敵!としか思ってなかったのですが、いざ自社で資料を作る目線で読み込んでみると

「これって見せ方がうまいとかじゃない。シンプルに会社の中身がいいってことだ...」

と気づいてしまったんですね。

現状の発展途上のペイミーの中身を資料化しても、それって魅力的な資料になるんだろうか...?同じ手法で伝えたら、逆に上記2社との差分が明るみになってしまうんじゃないか。

某資料「こんなにいい制度があるよ!」
(→ペイミーはまだまだ未整備だ...)
某資料「こんなスゲーやつが揃っているよ!」
(→ペイミーはみんないいやつだけど、肩書きでぶん殴れる訳ではない...)

いっそ資料なんて作らない方がいいのではないかとすら思い、なかなか構成が進まない。。そんな日々が過ぎていきました。

それでもペイミーに惹かれる人がいる!
その瞬間に立ち会って、「ありのまま路線」に開き直る

当時、少しずつ採用も開始し始めて、週に何件か採用面談が入るようになりました。こちらも必死なので、採用面談となるとすぐに代表の後藤を引っ張り出します。後藤が候補者様を前に、ホワイトボードを駆使してペイミーのビジョンや仕込んでいる新規事業の可能性について、熱く語る姿に何度も立ち会いました。

その場で、候補者様が皆、一気に目をキラキラさせるんです。

「こんなに壮大なビジョンがあるなんて知りませんでした!」
「後藤さんって、熱い人なんですね!」
「オフィスも見ていってもいいですか!?」
「このボロいマンションも、ロマンがありますね、ワクワクしてきました!」

・・・なんだ、これを伝えればいいんだ。

オフィスに来るのは大変だけど、オフィスに来て代表と事業の未来についてディスカッションしたこの感覚を、紙面で伝えればきっと刺さってくれる人がいる。これは大きな気づきでした。

↓直前まで推敲した、長期的な事業戦略。想いだけで押し切りました。

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そしてもう一つ。この時期に、新しく業務委託としてJOINしてくださる方の歓迎会的な飲み会で感じた感覚も資料には落としています。

「同じ地元だ!あそこ行ったことあります?」とか、「え!うちの親も看護師なんです!」とか、「ブレイクダンサー多いのウケますねw」、とか、たった一回のたわいもない話で一気に距離が縮まったんです。ビフォー飲み会とアフター飲み会がえらい違いです。

この親しみやすさや親近感も資料に落とそう!むくむくと創作意欲が湧いて、一気に構成を仕上げました。

↓だからなんだ、という情報だけど、飲み会で知ったら盛り上がるネタ。
googleフォームで社内向けに沢山アンケートをとりました。没ネタも多数。

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最後の難関。この資料の位置付けを決める前文。

デザインもほぼ9割完成しているなか、最後まで書けなかったのが最初の1ページ目の前文です。

この資料を読んでくださる方に、どんな期待値を持ってもらうべきかはもちろん、「とりあえずなんかかっこいいこと言いたい」欲に苛まれて、ずっと書けずに引っ張り続けていました。

悩んでいる中、自分がペイミーを語るときにいつも感じていることがヒントになりました。当時は2019年7月に7億の資金調達のリリースもさせていただき、後藤はメディアでも露出が多いのもあって、会う人会う人にこう言われていました。

「ペイミーうまく行ってるね!」
「イケてるスタートアップって感じ!」

とても嬉しい反面、これがどうにも違和感でした。

悩むことばっかだし、いつもギリギリだし、メンバーはイケてるっていうより無骨でシャイな武士タイプばっかりだし、いつも安酒飲んでるし、ただただ大きな理想に向かって粛々とやっている集団で、キラキラなんて全然してない。でも、ギラついてはいる自負はある!

これをなんとかこのまま伝えられないか、と考えました。そして夜中に書き殴ったのがこれ。草稿のつもりで一気に書きましたが、結局ほぼ手を入れずに公開しました。「かっこいいことを言わなきゃ」というしがらみは、本当に伝えたいことの前ではもはや勢力を失っていました。

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結びに最初の問いの答え合せと、細かい反省点を

こうして出来上がったペイミーまるわかりBOOK。たくさんの私の開き直りの結果、コンセプトは「ありのまま」「まるわかり」。等身大のペイミーを少しは表現できたのではと思います。

公開当初は想定よりも世間の反応が薄く、ヒヤヒヤしましたが、徐々に注目していただけるようになりました。

ありがてぇ。ペイミーのデザイナーの高橋さんは本当に感度が抜群なので、彼女に心から感謝。

最初の問いに対し、個人的意見をクイックに述べます。

「何から手をつけていいかわからない...」

目的の整理とPJメンバー、スケジュールを決めるとかは当たり前過ぎますが、とりあえず作りたいと言った人が雑にラフ描き殴るのはおすすめです。
PCだと考え込んじゃうので、私は手描きが性に合っていました。
雑でもラフがあると、これをもっと洗練させたい、とか、これを誰かに読んでほしい!って欲がむくむくと湧くんです。その欲がPJを推進します。

誰がPJを推進すべき?

誰でもいいですが、作りたい人がやるのがいいですよね、割と大変なので...。足りないパーツはそれを埋めてくれる人を巻き込めばいいだけのことです。私の場合は、副業中だったからこそペイミーを客観視できたこと(読者の視点を持てたこと)と、ペイミー愛が同居してたことはよかったのかなと思います。

魅力的な資料にするには?

「誰に何を伝えたいか」「実際に伝えて態度変容したのはどんな人か」、の肌感さえあれば、あとは一生懸命伝えようとしたらきっとその人には伝わります。みんなに賞賛されなくてもいいので、伝えたい人に絶対伝わると思えるか、だけ意識することがオススメです。

最後に細かい反省点を。

文字小さ過ぎて公開前に焦った
まるわかりBOOKなので誌面デザインっぽくしてしまった。めっちゃかっこよかったけどネットにあげてみて文字が小さ過ぎて読めないことが判明。公開前日に文字数削る、Q数あげる、構成変えるなどしてバタつきました。

非公表の数値がしれっと載っていた
非公表数値がグラフに載ったままで、すぐに気づき削除しました...

個人的な願いは、会社を早く成長させて、次の資料を作らざるを得ない状況になること。もう一回あれをやると思うと尻込みしますが、そうありたい!

そしてきっと、このページは変わらない!

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Twitterやってます。フォローしてくれると嬉しいです😭(@akuchaaan)




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