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スポーツ雑話②千葉ロッテ澤村拓一投手のトレードについて

久々の投稿です……

厳しい残暑も過ぎ去り、初秋の気候へ移りつつあります。〈暑さ寒さも彼岸まで〉ということわざがある通り、再来週前後まで天気の変動などあるかと存じます。引き続き、暑さへの対応含めどうかご自愛ください。

さて今回のスポーツ雑話は、NPB・千葉ロッテマリーンズに新加入した澤村拓一投手についてです。

9月7日、澤村拓一投手と香月一也選手のトレードが成立しました。

一斉に報道され、〈電撃トレード〉という表現が、誌面やWebニュース上にクローズアップされておりました。つまり驚きのトレードであったという内容でした。澤村投手は翌日8日に千葉ロッテ入団会見後すぐに1軍合流し、北海道日本ハムファイターズ戦に登板しました。1イニング3者連続三振で、勝利に大きく貢献いたしました。

11日のオリックスバッファローズ戦の登板も、3人と対戦し完璧に押さえ込みました。

澤村投手は、2010年讀賣巨人軍にドラフト1位で指名され入団。11年シーズン11勝(11敗)で新人王を獲得。のちに紆余曲折はあったものの、讀賣ジャイアンツ投手陣の中核を担う選手として、活躍し今日に至ります。

今シーズンのスタートは良好であったものの、途中不調に陥り何と三軍へ降格されました。三軍から二軍へ上がりファームの試合で登板し、復調の兆しを見せていた矢先のトレードでした。

僕は讀賣巨人軍の原辰徳監督はじめ球団関係者そして澤村投手とは、面識はありませんので、以後綴ることは推察・推論です。つまりあくまでも主観です。

首脳陣の好き嫌い?

結論から述べると、讀賣巨人軍の首脳陣から突き放された感が強いですね。巨人の原監督は、編成の権限も有しているのです。つまり選手・コーチの人事権を掌握しているのです。編成本部長や編成の役員は居るものの、実質の権限は原監督であることは、明らかです。

原監督と澤村投手との関係性についてのコラムでは、大変好意的に書かれております。

コラムの書き手の方は、独自取材を実施されているかと思いますので、内容は確かでしょう。他方澤村投手は、トレード前に三軍に降格されていることも事実です。讀賣巨人軍はじめOB・球界関係者そして評論家は、「澤村がだめだ!」「澤村もう終わり……」など突き放すコメントを発し、中には過去のトラブルや行状を持ち出し糾弾しておりました。いわゆる〈イジメ〉とも取られる言動が見られたのです。僕は澤村投手が好きでも嫌いでもなく、何ら関係のない者でありますが、客観的に見て澤村投手が不憫で、「気の毒だ」と率直に感じました。同時に、讀賣巨人軍の澤村投手への尊敬が微塵も感じられませんでした……

数年前ある経営者は、「企業など営利団体の人事意志決定は、結局代表取締役など人事権を持つ人間の好き嫌いだ」と断じた。つづけて「人事異動は〈適材適所〉などと綺麗事を述べます。人事権を持つ社長などが人間が気に入った人物は、閑職に追われることはない。つまり事の善し悪し抜きにして、組織やチームにとって相応の成果をあげている人物で、かつ従順な者は組織やチームで生き残れる公算が高い。一方で相応の成果をあげていながらも、従順でなく〈我が道〉を歩む者は、鼻つまみ者にされ閑職や出世コースから外されるケースが多々あります。企業に勤める人々で「出世や肩書きなど関係ない」とするのはほとんどなく、大なり小なり出世や肩書きは重要視するのです。サラリーマンの世界ではないものの、讀賣巨人軍というチーム内で澤村投手は、〈我が道〉を歩むタイプであったのではと、推察いたします。澤村投手は、どれほど巨人首脳陣に嫌われていたのか?1軍から3軍降格は、澤村投手に対する讀賣巨人軍の姿勢そのものであったのではないでしょうか?

野茂英雄さんも糾弾された

わが国選手においてメジャーリーグで活躍した草分けの存在として、野球界に多大な貢献をされた野茂英雄さん。1994年シーズンオフに、当時の近鉄バファローズ球団との確執が表面化。任意引退選手となり、わが国球界から去りました。そして急転直下ロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を締結しました。当時アメリカへ渡った野茂さんを、わが国球界とOB・評論家、マスコミは一斉に糾弾し、非難し続けました。野茂さんを糾弾・非難する人物には球界を代表する者もいました。本当に言葉にするにもおぞましい、野茂さんに対する罵詈雑言が連日報道されました。野茂さんのケースも、当時近鉄バッファローズ監督との野球観に相違から、双方の関係に溝が生じてしまったのです。野茂さんの言動を、球団のみならずマスコミも結託し、孤立無援に追い込んだのです。野茂さんは、ただ純粋にご自身がプロとしてベスト・パフォーマンスを披露したい一心で、交渉していたと見ておりました。残念ながら当時のわが国野球界は、「選手はチームの駒。偉そうにモノ言うな!球団と監督・コーチの言う事を聞いとけ!」とする風潮が蔓延しておりました。野茂さんは、トルネード投法という独自のフォームで、わが国球界を代表する投手となり、わが国球界の宝でありました。理不尽にわが国球界を追われ、アメリカに渡り、黙々とトレーニングを重ねメジャー開幕を迎えました。メジャーデビューから引退までの野茂さんのご活躍は、ここに綴るまでもないでしょう。ノーヒットノーラン2回はじめ、輝かしい結果を残したのです。興味深いコラムがありました。スポーツライターの二宮清純さんが綴ったものです。

当時ドジャースの監督であったトミー・ラソーダさんは、「野茂さんをリスペクトする」と述べております。つまり〈選手第一主義〉が徹底された風土が、あったのです。選手の好き放題・放任という陳腐な主義主張ではなく、選手はプロとして最良の結果を追求し、自身を高め進化させること。首脳陣や球団は、プロとして誠実に仕事に取り組む選手へ最大限の支援を実践する、相互において尊敬=リスペクトする関係性が作られていたのです。当時相互間の関係には、個人的な嗜好の感情的な意図はほとんどなかったと推察されます。もちろんお互い人間なので、時には感情的なコミュニケーションとなるケースもあるでしょう。ときには、人種差別や迫害など厳しい事象もあったでしょう。ただ仕事やビジネスに関しては、個人的な感情より友チームとしてどのようにすれば、最高の成果を成し遂げられるのか?が最優先です。いずれにせよメジャーリーグという野球の最高峰は、野茂さんにとって自身の仕事に集中できる環境下にあったのです。ひたむきに野球そのものに没頭できて、チームの仲間とともに切磋琢磨でき長きに渡りメジャーリーグで輝きつづけられたのでしょう。

澤村投手は復活するのか?

NPBのドラフトに選ばれる選手は、毎期最大で120名だ。高校生以上の国内野球人口は、高校・大学で約58,000人、社会人約90,000人。ドラフトに選ばれる確率は0.08%前後です。さらに近年は独立リーグの選手が加わり、さらに厳しい数値となります。言い換えると、ドラフトで選ばれる選手は、わが国野球界のエリートであることは明確です。澤村投手は、ドラフト1位です。つまりエリート中のエリートです。ただしドラフト史上1位の選手が、すべて1軍で誰もが認める成績を残せている訳ではありません。残念ながら1度も1軍の試合に出場できないまま、球界から去った選手も存在します。澤村投手は、今シーズン10年目を迎えました。客観的に見て、澤村投手は一流の選手であることは確かです。3〜5年で戦力外通告されるケースのなか、10年間1軍で奮闘できたことは、評価できます。賛否両論あるでしょうが…

そして心機一転。讀賣巨人軍から千葉ロッテに移り、再起を期してマウンドに立つ澤村投手。今後どのような役目での起用になるのかは未知数であり、まだ2試合の登板で再起するかどうかは計り知れません。ただ明らかであるのは、澤村投手はピッチングすることを楽しんでいるように映ります。千葉ロッテマリーンズ首脳陣は、澤村投手の心技体の特性をきめ細かくチェックし、適材適所な仕事場を提供することに尽力しているのではないでしょうか?人は、必要とされ「頼んだぞ!」という意志表示がなされたら、必ず最善を尽くします。結果については相手がいるので断定できませんが、本人が納得するパフォーマンスは体現できます。これは断定できます!納得するパフォーマンスが継続されたら、一流である澤村投手の成績がどのようになるのかは、もうお分かりかと存じます。

澤村投手の新天地での活躍と、日本シリーズで讀賣巨人軍と対戦し、大車輪のごとく強打者をぶった斬るピッチングを披露してもらいたいです。今からが楽しみです。

是非ともお力添えいただけましたら幸甚です!