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或る日の山梨

これは、淡々と記した日帰り一人旅の備忘録である。

6:04
バス停の前のスーパーが開店した。
こんな朝早くから営業していたなんて初めて知った。
私の地元が、この時間帯は完全に高齢者の時間だったから、こっちもそうだろうと思っていたら意外にも壮年期のスーツ姿がちらほら。犬の散歩も。
こんな朝早くから…
バスも始発なのに満席やらつり革やらで混んでいて…
お勤めご苦労、否、ありがとうございます。
私の前、先頭に立ってるメガネとキャップのおじいちゃんがマスク越しに口笛吹いてる。粋だねぇ。

6:07
バス出発。
せっかくの日帰り一人旅、備忘録として書き留めておこうとこうしてせこせことメモに記載していくが、これじゃあ充電もすぐに底をつくな。
蓄電器… ちゃうちゃう、モバイルバッテリー1つで足りるかしら。
初めてのバス。初めての車内の顔ぶれ。初めての通り道。わくわくしかない。

6:10
バスの中でも分かる、車窓から焼きたてパンの良い香りがした。時間がなかったからと、昨日買ったカロリー0のオレンジゼリー半分しか摂取してない胃袋には結構応える。

6:13
犬の散歩がちらほら。犬のが疲れてる?
平日の金曜日、こんな朝早いバスに見たことない人がいるぞと、さぞかし私は人々の内心で注目を浴びているに違いない。今の私にできる、最高の一張羅コーデだ。よく見とくれよ、自意識過剰な私を。

6:17
卵とハムを焼いたようなにおいがどことなく流れてきたかと思えば、田舎の朝のお墓や畑でよく漂う煙が鼻腔を泳ぐ。懐かしいにおい。
朝日が左側から差してくる。こっちが東か。
秋の朝日も優しいけれど、やはりどこか哀愁がある。まさにヒラエスに浸るのだ。

6:50
ぎりぎり間に合って電車に乗る。そしてぎりぎり座れた。9駅あるから座れるのはありがたい。
ちゃんと乗ったのは初めてかもしれない、中央線、赤。

6:55
国立。なんか聞いたことあるぞ。
ドラマ謎解きはディナーのあとでのはじめの方の話数で、神社の絵馬の前で死体が発見された作家の話、確か国立じゃなかったっけ。

6:57
立川。
聖☆おにいさんたちのスローライフの聖地だね。

7:01
急に身分証明書がないかもしれないと思い、案の定なかった。ま、なるようになるでしょう!

7:03
女子高生が3人。その前には空席が2つ。
誰か座らないのかななんて思ったけど、彼女たちなりに考えがあるんだろう。私は座るけれど。

7:07
八王子と聞くと、光とともに の自閉症をもつ東光が小学生の時にバスに無賃乗車し、沖くんとホテルのビュッフェで夜ご飯を食べていた印象が強い。
あの作品、最後がネームで終わってしまったんだっけ。
八王子で車内はガラッと変わる。乗客がほぼ入れ替わる。八王子って仕事場が多いのかな。

7:16
高尾って、タ\カオ なのか。平板かと思ってた。
アクセント辞典見直してみよう。

7:21
ちょうどホームにいた電車に乗り込む。
中央本線、青。
河口湖行。この文字だけでテンションが上がる。
いよいよ、かのマウントフジに対面できるのかと武者震いをする。おいよせ、まわりは高校生ばかりだ。

7:27
おい待ってくれよ、高校生ばっかじゃねぇか。
おばさん震えちゃうよ。この電車に毎日乗れてるなんて、君たち幸せだな。
ここから23駅か、道中楽しもうぜ、相棒(スマホ)。

7:34
7:28に高尾駅を出発して、次の相模湖駅に着くのが7:42。10分以上区間があるところになんだか親近感が湧き、安心した。トンネルを頻繁にくぐる感じも、「ああ山抜けてんだな」と耳が遠くなる不快感さえも、あの看護学校に向かう電車と重なって心地よい。
まあ3両じゃなく、6両なのは勝てないが。

7:47
どんどん緑が増えてゆく。わくわくがとまらん!
それにしても天気が良くて本当に良かった。

7:50
上野原。高校生がうじゃうじゃぞろぞろと降りてゆく。灰色のギンガムチェックの制服が、同じ方向に歩いて行く。朝がゆっくりで羨ましいぞ、0限なんて知らないだろ。いってらっしゃい。
座ってる席が線路側だったため、隣のボックスシートにうつる。車窓からでも富士山が見えるのかな。どの駅から拝め出すのか。脈拍は加速する。

7:55
四方津。車窓から覗く家々や自然の雰囲気が、庄内に似ている気がする。正直庄内はよく分かってないけど、玖珠とか日田とかでもない。なんか庄内っぽい。

7:58
甲州街道という道路看板が目に入った。興奮冷めやらむ。
梁川、山梨県に入ったのだ!はじめまして!!
線路沿いのある家が、2階の窓から1階の屋根に寝そべられる造りなようで、その窓の入口にアルコール消毒(ビオレuと見た)と皿が置いてあった。そこで食うもんはさぞかし何でも美味かろう。

8:21
件のエッセイ本をパラパラとめくり、気になったものだけ3.4つほど改めて読み返してみた。
うん、いいね。山梨を謳歌するには間違いなくこのエッセイ本がなきゃ始まらない。

8:24
車掌さんが切符を切りに巡回してきた。薄茶の制服は丸い帽子までしっかりあって、腰の鍵をチャラチャラと鳴らす。その女性の黒いおかっぱと丸メガネがより車掌という存在に味を出していた。
どこからかコーヒーのにおいがする。

8:40
ちょっとお尻が痛いかも。
長時間同じ姿勢で座っているので、適度に足を動かしつつ臀部の除圧をする。

8:58
前の席のボックスシートに男子高校生4人がいるのだが、メガネの1人だけがかれこれ20分以上座らずに立っており、座ればいいのにとずっと思いつつチラチラと様子を伺っていたが、さきほど座った模様です。
席はあるし、これから学校だろうし、まあ座りなさいよ…

9:00
いよいよ次の駅が富士山駅だ。
実は少し前から富士山らしきものが目の前にそびえ立っていたのだが、なんだか神秘的な、信じられないものと勝手に脳が解釈して、ただひたすらにぼーっと大きな山を眺めていたのだった。

9:10
富士山駅前の喫茶店に入る。
あった、あったよレモンジュース。500円。
木の板に書かれたメニューとお冷、あったかいおしぼりを持ってきてくれた店主と、常連さんなのかカウンターで1人、店主と談笑しながらコーヒーを「あー うまい!」と唸っているキャップにメガネのおじいさん。私が入店したことで会話を控えてしまったのかもしれない。もっと遠い席に行けばよかったかな。
まあでも仕方ない、この席に座っちゃったんだもん。
ピザトースト700円も頼んで、山梨モーニングとしよう。

9:17
エッセイ本を手に取り、適当に開いたページにあった短編を読み進める。
カウンターのおじいさんの革靴のリズム音、店主の食器を触る音、奥で聞こえる包丁の音、店の外から聞こえる車のブレーキや女の人数名の笑い声。
控えめなBGMが流れていて、とてもゆるやかな時の流れをその喫茶店は持っていた。
あ、今、オーブントースターのチーンという音が。
もうすぐ出てくるのか、ピザトーストよ!

9:32
店主は少し耳が遠いらしい。補聴器が覗く。
また1人常連であろう男性がやってきて、こちらもキャップにメガネのおじいさん。思わず笑みがこぼれる。
店主は「ちゅうちゃん」と呼ばれていた。
「ちゅうちゃん!ちゅうちゃん!」
「なんだい」
「ここコーヒーとかしかないの?アイスクリームとかある?」
「あるよ」
「じゃあそれ、ちょうだい」
この感じ、いかにも常連って感じでいいよなあ。
新聞を読む常連2さん。
「ちゅうちゃん、これはいつでもあるの?」
「あるよ、メニューにもあるでしょ」
ふふ。

9:41
「相撲も最近面白くなってきたねぇ」
「ニハイだろう」
レモンジュースは少し酸っぱかったが思いのほか甘くて、丁寧に飲みたいのについごくごくと喉を潤してしまう。輪切りのレモンが入っていて、それの黄色がとても鮮やかだ。ピザトーストはソーセージ、ピーマン、パプリカ、玉ねぎ、そしてピザソースにチーズと一般的なものだったが、丈夫な厚さの食パンと少し辛さも覗くような玉ねぎが堪らん。ただ、矯正している私にとっては結構な歯ごたえだったが笑
半分はタバスコを数滴かけて大人な味に。ナイフとフォークで食べる分厚いピザトーストは、The喫茶店という感じでとても良かった。

10:02
行くあてもないので、向こうに見える富士急ハイランドに向かって歩みを進める。 

10:11
近付くと聞こえるジェットコースターからの悲鳴。きゃー!ではなく、うぉ〜!みたいな意外と逞しい声が響いていた。

10:27
ぐるっと線路沿いを一周して、次の電車まで時間があったから、ええいもう1軒!ともう1つの富士山駅前の喫茶店に入る。珈琲茶論。名前にまた痺れる。
入口で煙草を燻らせる白髪メガネのおじいさんがいたから、なんだかこっちが当たりなのか?と思ってしまう。入口のドアノブが無く一瞬戸惑ったが、ばん!と扉が勝手に開いてくれた。自動ドアだったのか…
こちらでも、ハニーレモンジュース450円とホットミックスサンド550円という、俗に言う山梨モーニングを注文。
カウンターには3人ほど常連のおじいさんたちがいて、楽しそうに話している。若干乱暴に聞こえるものの、方言がないからか上品に聞こえる。

10:34
ハニーレモンジュースと謳っているが、ハニーのわりにこっちのが酸っぱい!推しが飲んだのは、立ち寄ったのは、こっちの喫茶店なんじゃないか…!?キレイな丸い形のガラスのような氷がハニーレモンジュースを冷やしてくれる。うーん、アーティスティックな飲み物だ。

10:46
ホットミックスサンドだけかと思いきや、なんとシャインマスカットが3つもついてきた。ツイステッドレモンも添えられて。ホットサンドは、ハム、チーズ、トマト、そしてマヨネーズが詰まっており、マヨネーズの主張がちょっと強いのがまた良い。そこにトマトの野菜特有の旨みが滴ると、秋の始まりに夏を感じた。でも少し味がまろやか過ぎるかなとシャインマスカットをつまむ。噛むと瑞々しい果汁が溢れ出て、とても甘い。皮ごとぺろりだ。うーん、山梨してるね!そしてレモンジュースの酸っぱさを挟む。
富士山だけじゃない、まわりの山々から届く秋の風を感じながら、常連さんたちの話にも耳を傾けながらまたひとつ、ホットサンドを口に運ぶのであった。

10:58
「○○さんがー」と笑い話が繰り広げられる。一瞬驚いたが勿論私ではない。山梨には大先輩がいるみたいだ。

11:09
目の前にまたもや常連さん、40代くらいの男性だった。その人はアイスコーヒーとコンビネーションサラダを頼んだ。女店主「マヨネーズ抜きだよね」、そういうやり取り、やっぱりいいなあ。私もいつか顔を覚えてくれるような店に入り浸れるくらい、大人な時間の使い方ができる日がやって来るのだろうか。
次の電車までもう少し時間があることを確認し、はにーレモンジュースをちびちびやりながら、ART-SCHOOLを聴きながらエッセイ本に集中する。恥ずかしながらART-SCHOOLについて無知な私は、とりあえずトップソングになってる曲から順番に聞いていく。たまに曲の隙間で常連さんたちの「○○さん」が登場して、なんだか不思議で変な感じだ。その指で、スカーレットと私の耳に注がれてゆく。

11:16
「フォーティン・ソォール!フォーティン・ソォール!」クセになるメロディライン、14souls。
今更だけど言おう、ART-SCHOOL、かなり好きだ!

11:26
時間を潰そうと駅に併設されているビルを散策。さすが富士山駅、登山用品店があるがそれだけじゃあない。無印良品もあるし古着屋もある。なにより良かったのは、オーダーメイドスーツの店で、レジに立っているイカしたお兄さんが店のBGMに体のリズムを任せていたからだ。良い店だ、きっと。オーダーメイドスーツ、人生で1着は欲しいよなぁと思いつつ、夢の舞台で衣装として着られるようにと改めて意気込んだ。
とりあえずパンパンと食べてお腹ぱんぱんだよ。

11:34
なんだかタイムリーなコラボ電車に乗る運命になった。ね、伊達監督。
車内にはやはり高校生がわんさかいて、なに?なんでこんな時間にご帰宅されておられる?テスト期間?とおばさんは気になってしまう。
前日寝つきが悪く(というか最近入眠障害になりつつあり…)、本でも読んで寝落ちしようぞと思ったが珍しくページをめくる気力がなく、だらだらとYouTubeをまさぐっていたのだが、TikTokバズり特集などというものを発見、そろそろ私もTikTokアプリ入れるかぁ?などと鼻息をふんふんしながら再生。やっぱり高校生だなあと印象を受けつつも、コロナ禍の高校時代だからか、私が高校生の時と比べてなんとなく活気が物足りない気がした。まあ人それぞれ、それぞれでそれぞれの青春を謳歌してくれればそれに越したことはないのだけれど。とりあえず、みんな「ひよってる奴いる?いねぇよなぁ!」がお好きなようで。

13:17
塩山駅に降り立つ。日が照りつけ影なんてない。
日光の眩しさと垂涎するほどの眠たさに目を細めながら、見知らぬ道を歩くのも悪くない。

13:25
懐かしい空気を纏っていたので、街並みを数枚おさめていく。ふいに視線を感じて後ろを振り向けば、白髪のおじさんがこちらを見ている。えっ… その後もう一度振り返るとおじさんの姿は既に消え、私は色々と不安な想像を咄嗟にしたけれど、よくよく考えれば平日のこんな時間に大層な格好で写真撮ってる私の方がさぞかし変質者に見えていたであろう。住民のみなさま、すみません、私は変人ですが怪しい者ではありません。いやぁあいにく身分証は持ってないもんでして…
ひやひやしつつも塩山シネマの外観をぱしゃりと。水色の趣きある建物に唸っていると管理人さん登場。お優しかったです。そりゃあ許可もらうべきでしたよね、ごめんなさいでした。

13:38
昔ながらの商店街をのらりくらり。
私の地元にも学生服や電器のお店はあったけど、どこの地域も平日の午後はのんびりとラジオを大きく鳴らして客を待っているのだろうか。

13:53
お供はやはりこいつであろう。
推しの大好物を飲まんとして何と心得る。
私はポカリスエットよりOS-1だけどね。
今朝生まれていた左頬のニキビくんが、マスクの縁に当たって存在表明してきて地味に痛む。

14:31
甲府駅についてまずはセブンイレブンを探す。え?微分積分?それ町の逆バージョンでお送りいたしました。山梨県立美術館に行くのに、クラスター予防で来館者に書いてもらう髪があるらしく、それを慌てて知ったのでセブンイレブンのネットプリントをする運びとなったのでございます。これで入館禁止だったら悲しいけど笑いのネタにはなるな、よしよし。

16:40
ミレー展、ありがとうございました。
1人でじっくり、自分のリズムでちゃんと眺められたのは人生初かもしれなかった。
正直落穂拾いしか知らなかったけど、山梨県立美術館のロゴにもなっている種をまく人の、顎のラインのセクシーさとそれに反する結構ガサツな力強い右腕の種のまき方に惹かれました。
あと山梨県出身の画家さんの中で、いくつか好きな作品に出会えたので良い感性の蓄えができた1日でした!
入口のミレー垂れ幕と一緒に自撮り頑張ってたら、少し離れたベンチで煙草ふかして無言で見つめてくるおじさんがいました。気にしなーい、気にしない!

17:00
充電が37%、これからどこか夜ご飯を探して、食べて、乗り換え調べて… 無事に帰りつけるのか!?と少し焦りつつ、しかしここでのこの思いは多分一度きりだし鮮明に思い出せるほど私の頭はよくないので、充電と駆け引きしつつメモにはちゃんと残していこう。
美術館前のバス停で待っていたら17時のチャイムがなった。甲府市の人たちにとってはこれが馴染み深いのだろうか。私はガキの殆どを21時くらいに家に帰り着くほどの習い事に費やしていたため、友人と遊ぶ公園でチャイムが鳴って、ばいばい、また明日ね というやり取りをしたことがほぼ無い悲しい人間である。まあ元来から外遊びが好きな子でもなかったわけで、友達と遊ぶより、1人で本を読んだり絵を描いたりする方が魅力的な遊びだった。
看護師を目指し出してからとんと本を読まなくなった。やっとこの時間のある今読んでみると、やっぱり本は面白い。ジャンルに偏りはあるし、何の本が好き?おすすめの本は?と聞かれてもまともに答えられない人間だが、読みたいものを読む、それでいいじゃないかと最近は散々積読してきたものを消化しつつ、タイトル買いしている。そのせいで謎に短編集やらオムニバスばかり買ってしまったのも良い思い出である。それこそ推しの知識には足元にも及ばず、本当に彼はすごい人だと心底尊敬する。

17:15
バス停の街灯がばちっと点いてから、私も自分の足をばちっと叩く。やられた…!憎きモスキートめ、夏は全然吸いに来なかったくせに、それで油断させてまんまと涼しくなった今吸わせてもらうぜって魂胆だね!?
私の場合、ちょっとずつではなく一気に何箇所もやられるので厄介だ。やはり私の血は格別に美味いらしい。
まったく、高校生の時から使っていて全然減らないプチウナ、常備しといて良かったぜ。(放置していたとも言う)
人前だろうがあたしゃ構わねぇ。痒いもんはさっさと鎮静だ!人通りの多い歩道でだってどうどうとスカート捲ってウナ塗りたくらぁ!見よこの体幹!伊達に毎日風呂で目を閉じて片足立ちして洗ってるだけあるぜ!

17:55
そば処きり、入店。生そばが売りらしい。うーん、よく分かんない。とりあえず蕎麦が食べてみたい!21年間の人生の中で5回も食べてないんじゃないか。
うーむ、せいろとは?ググッた。ふむふむなるほど、でもやっぱあれだよね!
「おろしそば下さい、あと鳥もつ煮を」
私の今回の目的は、甲府B級グルメとして有名らしい、鳥もつ煮。どんなお味で私の舌を躍らせてくれるのだろうな…!(しかし大体美味いので味音痴疑いあり)

18:01
鳥もつ煮到着。もつってそうか、結構レバーみたいな食べ応え。ししとう堪んないね、うまうま。
濃いタレが肝と絡んで白米が欲しくなるが、蕎麦があるだろうと抑え我慢。お酒が呑めたらまた美味しいんだろうなあ。酒は酔いやすいし鼻声になるのでNG。残念。

18:04
おろしそばがやってくる。よく冷えてる。のどごし最高だ、つるっと蕎麦が喉を通る。
鳥もつ煮がなかなかに濃いお味だから、おろしで少し薄まった蕎麦と交互に食べると絶妙になるんだな。
カウンターで1人で食べるのがいいんだよね、ね、井之頭五郎さん。

18:22
さんまの塩焼きがあると知り、真似して頼んでみちゃった変人だよ。なんなんだよツウだな私。
山梨という海のない県で海産物頼むのも、また良きかな。

18:54
久しぶりにお腹いっぱいで満足気分を噛み締めている。さんま食べると秋って感じするよね。
魚はずっと苦手で、というのも、何事にも面倒くささがあるとそれを嫌い避ける(今も)私は、魚なんて骨が小さ過ぎて食べるのに手間がかかるなんて!とブツブツ文句を言いながら食卓にいたものだ。だけど今はさすがに少し大人になって、きれいに身をほぐして食べられるし、何よりさんまと大根おろしに舌鼓を打てるようになった。初めてレモンで食べると、さんまの質の良い脂と相俟ってとてもまろやかで甘い印象のさんまになったが、やはりここはかぼすでしょう!

19:02
19:00発の高速バスに間一髪滑り込んで、なんとか帰路を見出す。なんだか私、いつも慣れない土地に行くと何らかの電車トラブルに結構な確率で遭遇して、あれれぇこれ帰れないかもぉ〜!な瞬間に出くわすのですが。そう簡単に帰らせないよってことですか。
睡魔がどっと押し寄せてきたので、夜のバスに揺られて暫し眠りにつきます。

21:51
乗り換えの練馬駅直前にして、中途半端なところで電車が止まって随分と経った。眠いのだ、私は、ばぶちゃんなのであるよ。朝5時から山梨はさすがに遊び倒したな。楽しかったし、やりたいこと全部できたからさすが私ィ!ってガッツポーズなんですが、家に帰れないのは疲労が溜まってゆくもので。
お、動き出したぞ…!

21:57
ゴール(家)が近付いてきた…!
矯正器具の間にめちゃくちゃさんま挟まってる…!

22:02
スマホッおまッ…!!4%じゃねぇか!!?
でも動きは軽やかだな… なんとか持ってくれよ…!!

22:22
さあラストスパートだ、3%。

22:40
無事に帰りつき、スマホは3%のまま最後まで傍に寄り添ってくれました。心強いぜ、相棒。
久しぶりに羽を伸ばし良い疲れを背負ったところで、山梨と私、終幕といたしましょう。
おやすみなさい。

今度はゆっくり、泊まりで伺いたいもの。
ありがとう、ごちそうさま、山梨。

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