見出し画像

個人ゲーム開発記:「#春と修羅」後編

個人開発の2Dアドベンチャーゲーム「春と修羅」の制作記録です。前編、中編についてもnoteに書いてきました。

今回は、2020年11月の体験版公開後〜リリースまでについてざっくり流れを記録しておきます、と見せかけてゲームを宣伝します。

画像1

2020年11月中旬:体験版の感想をもらえて喜んでいる

11月11日に体験版配布を開始しました。11月20日現在DL数は1500くらいで、うち中国が非常に多く半分くらいを占めています。

体験版のページには私が知る限りスレッドを立てられないため、製品版の「体験版公開のお知らせ」に海外から感想をいただいたり、Twitterでも感想リプライ飛ばしてもらえました。短いゲームなのにとても嬉しい。

Steam掲示板には、以前にゲームと関係ないゴシップ系コメントがついてマジギレしてたんですが、こういう素敵な話題で場違いなコメントがどんどん下に追いやられてほしいです。

2020年11月後半:シナリオをひたすら書きフラグ整理

シナリオを書いたり、ゲームのフラグを整理したり、またシナリオに戻ったりを繰り返します。

上記記事とも重複しますが、素材は自前のため私がゲームに実装できる演出は限られています。「モンスターの大群に追われる城下町の人たち」みたいなビジュアル実装は不可能ですので、できる範囲のことを書ける範囲で書くのが完成に近づける秘訣です。

2020年12月初旬:別のゲーム作ってた

別のゲーム作ってて春修羅の方は制作がやや止まりがちでした。

お安めのパズルゲームなのでお好きな方はウィッシュリスト登録お願いします。

2020年12月中旬:続・別のゲーム作ったりしてた

ゴソッとまとまって作業する時間がなかなか取れないものの、来年どうなるかわからなかった予定が結局空いてしまい、最終的な納期に余裕ができたため、商品単価を上げるべくおまけのブックレットとか作ろうと思いついて、ゲームとは別のテキストとか漫画とか書いていました。

こういうのはゲーム完成してから作る方がいいのかも知れませんが、書いてると考えがまとまって来て、ゲームもっとこうしようとか思いつくこともあります。

少しずつ開発の目処が立ってきたので、一旦2021年3月発売開始を目標にします。ゲーム本体は500円前後の予定。

2020年12月末〜2021年1月:挨拶イラスト描いてた

まだ上述の「Conet」関連作業が終わりませーんゲームは大体できてきてるんだけど、よりよくするために素材作ったりテストしたり、ルール説明の動画作るだけで3日くらいかかったりと春と修羅の制作になかなか取りかかれないので、クリスマスイラストとか年賀状描いてました。twitter公式で閲覧するとサムネイルがひどくてウケます。

拡散力がないアカウントですが何も発信しないよりはマシの精神で続けています。

2021年1月中旬:作業に戻ってまいりましたが…

新しいマップを少し追加したいのと、物語に厚みを出そうと四苦八苦しています。

驚きの色の分からなさ…まだ先は長そうです。

ここから理由は分からないんですが(何してたか記憶がない)そろそろローカライズに出さないと春発売に間に合わないのに進捗がガタッと落ちました。そのまま2月後半に突入しています。本当に何をしていたのか。遊んでたとかじゃなく、絵を描いたり4月から新しく始まる仕事の準備などに追われていた…ような気がします。

去年の秋くらいから身の丈に合わないことをして、それが結局駄目に終わっちゃって、しばらく落ち込んでいたのが影響していたかも知れません。あとバナー作り替えようとしてて割と時間取られました。

2021年2月上旬:Steam game festival出展(良い)

今までいくつかオンラインイベントに出展してみた経験上、概ねウィッシュリスト増えたりお客さんから反応もらったりしていい感じです。中でもSteam game festivalは群を抜いて反応がありました…と、冷静に書いていますが、ウィッシュリストの増え方見た時はワーってなりました。

海外からの体験版DL率95%以上、コミュニティに感想ももらえ、ウィッシュリスト登録数は初日70倍程度に跳ね上がりました。とても良い。このイベントに出さずしてゲームを出すことなかれと言えるほど効果がありました。ストアページと体験版があればさしたる登録の手間もなく参加できますし、付随のライブイベントとか出さなくても効果があった(やり方がわからんかった)ので、次回作からは必ずスケジュールに組み込みます。

2021年3月上旬:春発売に間に合いません

しばらくぽけっとしていたせいか元気になり、物語も整理できて進捗がよくなり出しました。この時期は花粉症で割と色々なことに支障が出るんですが、自宅にいても作業が捗っていました。

体験版を配信してみて、プレイヤーが調べてヒントを得られそうな、いわゆる「インタラクト」できるオブジェクトが少なく、どちらかというと雰囲気重視のゲームであるのに世界観が伝わりにくい状態で勿体ないなと感じ、この頃から修正することにしました。

あと上記みたいなつぶやきをすると英語でリプライがついたりして、わざわざ「翻訳する」を押して知らん言語を読んでくれてる人がいるんだと感動しました。Steam game festival出展効果のようで海外からの反応がほとんどなんですが、これが本当にもう開発するうえで心の支えになります。

2021年3月後半〜4月上旬:進撃の進捗

スクリーンショット 2021-04-13 17.55.42

この頃からtodoがかなり細かくなってきたためリストアップを開始しました。それまでどうやって作るんだというと勘でやってます。

こういう一覧作っておくと後で振り返ったりできるのと、気づいたら休みを取ってないという事態に陥りがちなので、そろそろ休もう基準にもなります。3月末ごろに「セリフおしゃれに」という謎指示があったりして酷いですね。誰が書く思てんねん。そして4月頭に「ネタ出し」とあるあたり危うい状態です。

桜の時期に間に合わないのは残念ですが、こうなったからには販促優先でライブイベントに照準を当てて発売日を決めることにします。

2021年4月中旬:INDIE LIVE EXPO等へのエントリー

零細個人開発者には存在自体ありがたいオンラインの販促イベント。INDIE LIVE EXPOでは前々回放送時に拙作を取り扱ってもらいましたが、今回は「春と修羅」と制作中のパズルゲーム「Conet」をエントリーしてみます。ニュース性は低いけど取り上げてもらえるといいなあ。春と修羅はライブイベント直後の6/11発売(Conetはアーリーアクセス開始)で一旦決定とします。

他にオンラインイベントとしてはSteam game festivalの夏バージョンがあるのでパズルゲームの「Conet」をエントリーしました。

2021年5月中旬:α版が完成

スクリーンショット 2021-05-14 19.51.24

2021年5月下旬:翻訳に出すも…な、なんと

頼りにしていた翻訳者さんが某社のご専属になってしまい、続きをお願いできないとわかりました。

それでちょっぱやで代理の人を紹介してもらったんですけど、前の方がイギリスで、新しい方がアメリカなので、どうやって整合性取るんだこれ? もうパニックです。

一応説明しますと、アメリカとイギリスは英語が微妙に違うのです。しかし私はその違いを逐一把握しておらず、大してチェックもできないためお二人を信じて任せるしかありません。

2021年6月5日:Indie Live Expo出展

めちゃくちゃウィッシュリスト登録が増えたました。どのくらい増えたかというと初速は普段の100倍くらいです。普段が少ないんですけど。うちが紹介された順が、発売日の都合で最後の方だったので視聴者数が増え切ったところだったのも大きかったのかも知れません。

前から言ってますように、とにかくこういうオンライン系のイベントで、ある程度正体がわかっているものは出してみるのがオススメです。

2021年6月中旬:大体この頃から記憶がない

何してたか思い出せません。とりあえず、インディーコレクションでプレゼンさせていただくために準備とかしてました。

大詰めになると、ゲームはどんどん良くなるけれど、良くした分バグもどんどん出てくる始末です。こればかりはどうしようもありません。そして販促にも手が回らなくなってきます。

2021年6月15日:インディーコレクションに参加

たどたどしいプレゼンを見られるのが恥ずかしいのでリンクは厳密に貼らないでおきます……が、終わったあと(コミュ弱ながらがんばって参加した)雑談で、皆さんすごい優しくて、技術的な質問とか興味持って聞いてくださったのですごく気が紛れました。

この日と前日のリハ、私はゲーム系の講師業を終えたばかりでフラフラで、時間的に無理があるなか強引に参加して遅刻もして、ご迷惑だったろうなあと思うものの参加して本当に良かったです。さらにこの話には続きがあり……、

2021年6月16日:突然、記事に取り上げられる

多分インコレで見つけてくださったのだと思います。私のような販促に割く時間もなく宣伝する勇気も乏しい開発者には本当にありがたい。

2021年6月24日:Steamにて配信開始

日本では夜中の配信開始となってしまいました。何もかも後手後手!!

今回はいつにも増して、販促や企画、仕様段階の判断ミスが見えてきて反省点がはっきりしてきました。このあたりについて、備忘録としてまとめたいのですが「春と修羅」開発記録としては一旦ここで締めます。

改めましてシステム面で協力してくれたPixelさんをはじめ、開発や翻訳に関してご助力くださった皆様、そしてゲームを買って遊んだりレビューやバグ報告をくださった皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

画像4

中国語翻訳のお話もいただいており、前向きに検討中です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?