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ゲーム制作記:ADV「私は猫になりたい」(中編)

自作個人開発ゲームの進捗を記録しています。「私は猫になりたい」通称「わた猫」の制作振り返り日記中編です。

後編としてリリースまでの記事にしたかったんですけど、2020年1月現在まだリリースできていません。それどころかここへきてトラブルがありパブリッシャーを通さないことに決めたので、その顛末を記して後編につなぎます。

2019年10月初旬:校正に出す

知人から、何かお仕事あればぜひとお申し出をいただいたため、出すのに消極的だった校正仕事をお願いすることにしました。本来、先方は文字書きがご専門だそうなのですが優しさで引き受けてくださり、きちんとした校正とともにゲームの感想もいただき元気が出ました。

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前に校正のプロという方に別のゲームを見せたとき、まだ仕事のお願いもしていないうちから細かい指摘が断続的にあったうえ「この表現はまずいのではないか?」みたいに「こっちが調べないと真偽がわからない」指摘を受けたことがあったため、今回わた猫の校正をお願いするにあたり警戒していた私は上記のようにクソ細かい指示書を添えることになったのですが、細かすぎるw とも言わず引き受けてくださり感謝しています。

校正はいい感じで月末までに上げていただきました。この間、私は他のゲームを作ったり、わた猫の方はおまけの音楽プレイヤーを作っていました。

11月2日:ローカライズの準備を進める

翻訳周りは今までと比べ未知の領域なので一層やること多いですね! やってくれるのはプログラマさんですが……。TODOだけでもすごい量です。あと細かい。

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「わた猫」のように短くてテキストの多いゲームが翻訳向けかというと、コストに見合わないものだと思うのでローカライズ先になんと言われるか不安です。まず問い合わせて気をつける点を聞いたり、NDAを送る段取りをつけていただきました。割と以前からお世話になっている先ですが、やはり話が本格的に進み始めると緊張します。

横からゲーム開発者の同僚が心配そうに「日本語だけに集中した方がいいのでは?」と言ってきます。これは決して京都流に「そんなゲーム翻訳してもうても意味あらへんし、やめはった方がええんちゃいますか」と釘を刺しているわけではなく(多分)多国語で苦労したのでどんなに大変か分かってるからこその苦言かと思われます。言ってることは多分正しいんだけど、一生のうちで自分のゲームをローカライズしてもらえる機会なんてもう何度もないので憧れがあるのと、小規模のうちにどんなことが起こるか知っておきたいというのもあります。

11月29日:ローカライズ先にゲームデータ等提出

取引先になるかもしれないところへビルドデータを提出するのは初めてです。あとイメージpvのようなものも作り、概要と併せメールしました。

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っていうかpv作るのに使ってたソフトが有料なのにプレビューと書き出し結果がずれて大変な目に遭っています。目押しで合わせるしかないのか? そんなの嫌だから買い換えたい。

バイトさんには11月は今月3回も出勤をお願いしたのに(なお1回あたりの出勤は7時間です)翻訳周りがなかなか終わらないまま12月に突入。

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12月6日:ローカライズ材料を提出

エクセルで翻訳できるシステムとか一式、パブリッシャーさんへ提出しました。

しかし……ゲームを提出して以降、そもそもパブリッシュの話が進まないのと先方の反応が悪いのでこの頃から嫌な予感はしていました。

12月26日:連絡がないのでパブリッシュ依頼を取り下げた

ローカライズ材料を提出して以来、11日に一度連絡があったのですがやはり芳しくない内容だったので、翌日、2月にリリースしたい希望を伝えましたが全く反応がないまま2週間が過ぎ……ローカライズ材料を提出してから20日経ったのにパブリッシュ検討の話はおろか見積りすら来ないので、何も進んでないならもう結構ですと断りの旨こちらから連絡を入れました。

まじで何も進んでなかったみたいで、最初にゲームを提出してから1ヶ月、私は何を待っていたのでしょうか。断りの連絡がもらえるならともかく自分のゲームが忘れ去られる程度のもの、というのはかなり衝撃でした。

もうちょっと待てばいいのでは? と思われるかも知れませんが、返事を待つ間に、他の、一般受けして採算が合いそうなゲームが華やかに紹介されている同社のsnsを見ているのはかなり辛かったです。

私は、ゲームを完成させさえすればなんとかなると思っていました。しかし、そんなことはありませんでした。また個人でやる以上、パブリッシャーさんは通した方がプラスであると思っていましたが、そんなこともありませんでした。メールして1週間くらいを過ぎると、今日も返事がない、いつ声をかけようか、もう少し待とうか、と毎日繰り返すのは非常にストレスでした。そして、ちゃんとしてくださいと怒れるほど元気もないし、かといって穏やかに話をまとめられるほど大人でもありません。翻訳は、お金さえ払えばやってもらえると思うんですけど、お金払ってまで同じ思いをする可能性があるのかと想像するだけで気が狂いそうでした。

昔お世話になっていたライターの先輩が「信頼を得るのは難しいのに失うのは一瞬」と言っていました。その通りだと思います。先方からは特にとりなしもなかったので、その程度なのだし、こちらから今後何かゲームを出しても頼ることはもうありません。というか、日本のパブリッシャーというだけでもうええわと感じました。海外なら、時差とか言葉の行き違いなんかがあるので、問題があってもしょうがないと思えるところが国内では「なんでこれができないのか」と私が思ってしまいがちということに気づいたものです。

考えてみれば初めて自力で作った規模の小さなゲームを、同人的な売り場ではなくちゃんと頒布してもらいたいと思うのが贅沢なことだったのでしょう。ただ、幸い自分が全身全霊を賭けて作ったゲームではなかったので、この程度で済んだのは本当に良かったです。

2019年12月27日:個人で売るためにSteamに手続き開始

というわけで、steamに登録しました。税金のことが色々難しいけど、なんとマイナンバーがあればこの辺、手続きがぐっと楽になるようです。

他に販売できそうな場としてはitch.ioというサイトがあり、トリプルAタイトルなどと同じ棚に並べられてしまうsteamと比べ、個人の売買ありきの場のようでお客さんもその辺り了承して買ってくれるため割と優しい世界のようで、こちらでも販売できるよう登録しました。マニュアルは英語のみですが、steamより税金手続きのチェックが少し緩く、すぐページ開設に着手できました。

年が明けて、流石に自力で翻訳というのは現実的ではないため、知人を頼ったらよい先様を紹介してもらえたので、完全にぼっち独力という無謀なことはせずにすみそうです。

なお本記事は2020年1月18日現在のもので、次は2〜3月頃リリースできていたら後編記事を書く予定です。

前編は以下の記事です。



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